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福娘童話集 > 日本民間故事 > 151-180
第 158話
(日本民間故事 158)
お金の降る家
財神上班
・日本語 ・日本語&中国語
むかしむかし、秋田藩の侍に、後藤庄五郎(ごとうしょうごろう)という人がいました。
現就講好久以前的武士、別個是坐守到秋田藩的後藤莊五郎。
ある年の秋の事、庄五郎は湯治(とうじ)に行く途中で、銭の降る家があるとうわさで聞いて、知り合いの庄屋の家に立ち寄りました。
有年秋天五郎就想趁到現在氣候好、逽個有溫泉的好地方好生療養下子、正訪到一半、耳邊的傳聞來了、是講有條甚麼屋子它裡面會下金幣雨、剛好五郎跟里長是舊識、別個既然是管事的、這事肯定是曉得一二、五郎也對此事留心、剛就到近處、五郎叩響了里長的門。
「さっそくですが、銭の降る家があるとのうわさは本当ですか?」
人這就備好了茶水兩人坐至案前扯東扯西啦、五郎也過問起了這里長金幣雨。
庄五郎が尋ねると、庄屋は深く頷きました。
怪卵的是看人里長還就真幫頭點了、好似確實是真有這條事啊?
「ああ、嘉兵衛(かへい)の家ですね。はい。そのうわさは本当の事ですよ。実は、今も降り続いているのです。よかったら、ご案内しましょうか?」
這便又講起了嘉兵衛他屋、喊五郎有興趣自己帶路、別個屋子裡面的雨現在還到下、自己親自看過一遭比甚麼都管用。
「それはありがたい」
五郎講了句勞煩、這就也隨到別個去了。
喜んだ庄五郎は、庄屋と一緒に近所の嘉兵衛の家に出かけました。
這就講兩人一起奔到邊上的嘉兵衛他屋去啦。
銭の降る家だと言うので、庄五郎は立派な御殿を想像していたのですが、その家はわら拭き屋根のごく普通の百姓家で、特に変わった所はありません。
既然會下錢雨、去之前五郎對人屋子還是蠻期待的、就像相傳甚麼大仙會飛天遁地、但一見面就是條狗皮膏藥這樣、五郎到了地發現也過就是條尋常百姓家、一條普通的茅草蓬蓬而已。
運悪く嘉兵衛は留守でしたが、家にいたおかみさんから詳しい話を聞く事が出来ました。
それは、こんな話です。
今天主人還㫘到屋、不過屋裡也不是㫘人咯、嘉兵衛堂客到屋幫屋守到的、里長這就過介紹起五郎過跟人堂客認識下子了、講別個也是好奇想瞭解下這條金幣雨被我專門帶過來走一遭。
今から五年前の五月のある晩、嘉兵衛の夢の中に一人の老人が現れてこう言いました。
曉得了來意、堂客開口了、人這就講是自己男人有天作了條夢、夢裡面那人是條老杆子。
「お前に小袋を一つやろう。今からわたしの言う場所へ行ってみろ」
講自己要交託你一個小袋袋、但東西現在不到我手、我要你幫我跟你講的那條地方去了。
そして老人が小袋の置いてある場所を言ったとたん、嘉兵衛は目が覚めたのです。
「何だ、夢か」
嘉兵衛堂客又講自己男人夢醒、這時正是仙人交待完袋袋地點後的下一秒、他當時也以為是夢。
そこで、もう一度眠ろうとしたのですが、さっきの老人の言葉が気になって、眠る事が出来ません。
但我看他後面到床上翻來覆去睡不著就曉得他對這事是有點留心。
そこで嘉兵衛は夜明けを待って、老人の言っていた場所へ行ってみました。
直到天亮我男人這就出了門去、到別個夢裡面仙人講的地點去了。
するとそこに、木綿で作った古い小袋が一つ置いてあったのです。
到了邊還就真的有一個小錦袋收到的。
「夢ではなかったのか。しかし汚い袋だな。一体、何が入っているのだろう?」
當時我聽男人講那個袋袋已經放好久了、上面全都都是灰。
嘉兵衛がその小袋を開けてみると、中には八十文の小銭が入っていました。
後面打開裡面一看、發現是有八十個銅板到。
わずか八十文ですが、貧乏な嘉兵衛には大金です。
雖講錢也不多、但是我男人當時好高興、畢竟我們屋也就這樣子、有八十文也不錯了。
そこで嘉兵衛は家に戻ると、おかみさんに夢の事を話して、お金をどうすればいいか相談しました。
すると、おかみさんは、
後面他就回來跟我商量講這錢是準備要怎麼處理。
「拾った物なら届けなければいけないけど、夢のお告げで授かった物だから、とりあえず神棚に供えて置いたらどうですか?」
と、言いました。
我也不敢用了去、怕到時這神仙賜的錢不見了別個又來討、夢裡仙人也只是講交託我們而已、就講暫時放到神棚看個幾天。
そこでその小袋を神棚に供えていたのですが、そんな事も忘れてしまった、次の年の二月、一緒に住んでいるおばあさんが、芝居見物に行きたいと言い出したのです。
這錢我們一直都㫘動、後面都過幫它忘焉的、它就一直擺到神棚上面到了第二年、剛好有天屋裡的婆子講想要去看戲。
そこで小袋の事を思い出したおかみさんは、小袋から四十文を取り出して、おばあさんに渡してやりました。
但男人當時又㫘到屋、我過剛好想起來屋裡還有個小袋袋的事、這就幫媽從袋袋裡面取出了四十個銅板、讓她人過看戲去。
すると今度は、息子が盆踊り見物に行きたいと言うのです。
おかみさんは仕方なく、小袋からさらに二十文を取り出して息子に渡しました。
後面那天因為是過節、我兒就也問我要錢講要出去玩、我不跟他過他就一直到屋裡吵、後面就又是從袋袋裡面取了二十個銅板過起他了。
これでもう、小袋には二十文しか残っていません。
(せっかくの授かり物を使ってしまったわ。残りはせめて、お賽銭にでもあげなくては申しわけない)
最後這就小袋袋裡面只有二十文了、我想這錢是神仙過得、就這麼全用完了好可惜、就講幫這錢捐了看能討個福報吧。
おかみさんは小袋をふところに入れると、小さい子どもを抱いてお寺へと出かけました。
我那天也就想去廟裡面上根香、帶個自己幾個兒一起。
ところが、お寺へ着いてみると、ふところに入れていた小袋がなくなっているのです。
但是剛過一到邊發現自己佩過來的那條小袋袋不見了、我還講想用這錢捐贈個善款。
どうやら子どもを抱っこするのに気を取られて、途中で落としてしまったようです。
當時肯定就是抱到小兒的時候別個太鬧、不曉得甚麼時候走路上落丟了咯。
(ああ、申し訳ありません。お賽銭は、今度来る時に必ずお持ちしますから)
おかみさんは、仏さまに手を合わせてあやまりました。
這麼到、那天我就過㫘往功德箱裡面賽錢、就到佛祖面前跟人上了一根香就直接回去了。
さて、その翌年の二月。
今度は、おかみさんが不思議な夢を見ました。
這事之後又過了一年、現在過變成我作夢了。
その夢では、おかみさんは船に乗っていて、まわりには五、六人のお坊さんがいます。
夢裡面我坐到船上面、五六條和尚幫我圍成一條圈。
一人のお坊さんが、おかみさんに言いました。
「すまんが、ひとつ、謡(うたい)をうたってくれないか?」
突然就有條和尚對到我搭話、問我能不能跟他們作偈。
「えっ?」
おかみさんは、困りました。
謡など、今まで一度もうたった事がなくて、時々、祝言の時に聞くぐらいのものです。
我根本就不曉得那是條甚麼東西、只是看別個和尚跟人作法事的經常念到的。
「あの、わたしにはうたえません」
我就講自己不會。
おかみさんは断ったのですが、お坊さんは、
「まあまあ、そんな事言わずに、ぜひひとつ」
と、手を合わせてくるのです。
但別個還是要我來、先讓我合十。
お坊さんに、そこまでされては仕方ありません。
我這就從了別個。
おかみさんは覚悟を決めると、うろ覚えの文句と節で、祝言の時に聞いた謡を調子外れながらもうたいました。
我自己當時這就也不曉得了念了甚麼、都是憑到自己記憶胡拼亂湊亂念了一些。
うたい終わったおかみさんは恥ずかしくてたまりませんが、ところが、お坊さんたちは手を叩いて喜び、
念完之後自己也蠻不好意思的、但是圍到我的和尚們都到拍手叫好。
「やあ、これはうまい、うまい。」
と、ほめるのです。
「いえ、うまいなんて、とんでもない」
都講我念的好。
おかみさんが、顔をまっ赤にしながらモジモジしていると、一番年寄りのお坊さんが、
我當時臉一下就紅了、幫腦鬠一佝、好像是他們之中最大的一條和尚跟我講了。
「お前は、本当によい人だ。やっぱり、お前にあげるのが一番よいな」
と、おかみさんに古い木綿袋を一つくれたのです。
講我就是他們看中的人、這條東西過我最好不過了、這就塞起我了一個小袋袋。
何とそれは、おかみさんが寺へ行く時に無くした小袋と同じ袋です。
「ありがとうございます」
我認得到那條袋袋、那就是我當時半路落不見那條。
おかみさんが喜んで受け取ると、年寄りのお坊さんが言いました。
「すまんが、さっきの謡を、もう一度うたってくれないか?」
但我幫袋子接過之後老和尚又喊我念之前的偈、講他們還想聽。
「はい、あんな物でよかったら」
おかみさんは、再び調子はずれの謡をうたいました。
するとその声を聞いて、一緒に寝ていた嘉兵衛が目を覚ましたのです。
我這就唱啊唱、最後是我男人聽到這聲音被驚醒著我從床上吵起來了。
見ると、おかみさんが眠りながらがら、変な寝言を言っているのです。
他當時還以為我是到講甚麼夢話、他一個字都聽不懂。
「おい、しっかりしろ。なにをうなっているのだ?」
おかみさんは嘉兵衛にゆり動かされて、目を覚ましました。
他以為我是發癲了、就到床上一直搖啊搖、過幫我搖醒了。
そしてふと枕元を見ると、そこに夢のお坊さんからもらった木綿の小袋が置いてあるのです。
「あんた。実はさっき夢で」
但我醒來後一看、床上甚麼時候那條小袋袋就正好放到枕頭邊上的。
我一下人就懂了。
おかみさんから夢の話を聞いた嘉兵衛が小袋を開けてみると、中には十八文が入っていました。
後面我幫這事講起了自己男人聽、他跟到開了袋子、裡面現在是還有十八文銅錢。
「夫婦そろって夢で、こんな授かり物をするなんてな」
「まったく、ありがたい事ですね。ねえ、この金は使わないで、いつまでも大切にしまっておきましょう」
「そうだな」
我兩一起作夢、這就又一起得錢、就感覺這事並非尋常、這錢用了就㫘了、既然是神仙專門過的人還不如好生保存起來。
そこで嘉兵衛は木の箱を作り、その中に小袋をしまいました。
我男人後面就又作了個小箱子、幫袋袋專門封裡面去了。
しかし、どこからこの話が広まったのか、夫婦だけの秘密にしていたのに近所の人たちがやって来て、
「ぜひ、そのありがたい小袋を見せてほしい」
と、言うのです。
不曉得是不是被我們隨意一講、這事就被外人瘋轉、講我們碰到了神仙、又都要到我屋來看這個袋袋。
ばれたものは仕方ないので、嘉兵衛が箱の中の小袋を開いて見せると、十八文だったお金が、いつの間にか二十文になっているのです。
後面我男人抵不過這些人、又幫小袋袋從箱子裡面取了出來、他們這就又要看裡面的錢、我男人這就又倒錢、但這次一數不是十八、而是二十枚了。
そして不思議な事に、小袋のお金は開ける度に、二十二文、二十五文と、少しずつ増えていくのです。
此後到我屋來的人還是有、但是每次開袋袋一次這裡面的錢就多上一兩個。
そればかりではなく、やがて家の中のあちこちから一文銭が、
チャリーン!
チャリーン!
と、降ってくるようになったのです。
後面不僅如此、屋裡面還不時下起了銅板雨、就聽到投幣的一聲、一枚銅錢就落到地上來了、幫屋子撒得到處都是錢。
天井裏を調べてみましたが、別に何もありません。
しかしお金は、
チャリーン!
チャリーン!
と、降ってくるのです。
我們就想講是不是天花板上有先人偷偷收的財產到、被老鼠咬破袋子啦?但是上面甚麼都㫘看到。
但這錢雨還是怪不停的時不時下。
さあ、そのうわさを聞いて、ますます見物人が集まってきました。
這就這麼個消息幫你們大家都吸引過來了。
嘉兵衛とおかみさんは嫌な顔一つせずに、降って来た一文銭は拾った人にあげたので、嘉兵衛の家は毎日毎日、押すな押すなの大賑わいです。
這錢天天又到我們屋裡面掉、我們有多也就想跟其他人也分點福報、來看戲的人萬一有緣剛好碰到下了錢雨、我們這就也轉贈跟他、現在來我屋的人是天天不得停了。
心優しい嘉兵衛は見物人の為に、にごり酒を作ってふるまいました。
こうなれば、毎日がお祭り騒ぎです。
我男人看來的人多、還專門備起了酒、跟逽他來扯這事的人倒上一杯慢慢的談、每天屋裡都跟過年樣的。
そして家の中が賑やかになればなるほど、一文銭はたくさん降って来ました。
而且我們發現了這人越多雨也就下的越頻繁。
おかみさんが数えていたところ、その年の夏までに、おおよそ三万枚の一文銭が降ったとの事です。
就今年的夏天我估計莫都快有三萬枚銅錢了哦。
「しかし、こうも見物人が多いと、仕事どころか眠る事も出来ないだろう」
あまりの賑やかさに、近所の人たちが心配してくれましたが、
「何、皆さまの為になるなら」
と、夫婦は気にも止めません。
但這人白天來晚上也來、我們到屋裡睡覺都過㫘時間了、但一想到這神仙的錢可以讓大家都沾下子光、我們作的這些事應該也是可以攢點陰德、就都決定還是繼續。
まあ、降ってくる一文銭をみんなにあげても、小袋の中のお金はどんどん増えていくし、客の帰った後でも、一文銭は天井から、
チャリーン!
チャリーン!
と、降ってくるので、二人は働かなくても暮らしの心配がないのです。
後面這下錢雨都開始有了規律、就像是財神到我屋天花板上面幫班上到的、不信等下你們一準備走這天花板上面就要下錢的、而且這每次來條人之後啦屋裡的小袋袋裡面又得多出個兩文。
我們兩人天天就過辛苦這條案子、事都不要作了。
話を聞き終えた庄五郎は、感心しておかみさんに言いました。
「それにしても、何と不思議な話だろう。そんな縁起の良い一文銭なら、わたしも欲しいものだ」
五郎這是幫你媽人都聽懵逼了、這麼長一段到底是到講條甚麼?喊我皈依佛門去啊?
最關鍵的是現在這錢啦?現在是五郎自己也想體驗了、估計這天花板的財神都學聰明了、怕你等下又讓自己開箱子取袋袋看、而且數量還要有那麼多啦、萬一被你見錢眼開謀了去啦?這就看到天花板上已經下起了金幣雨。
するとその時、庄五郎の目の前に天井から、
チャリーン!
チャリーン!
チャリーン!
と、三枚の一文銭が落ちて来たのです。
叮噹鐺、這就三枚銅板從頭上落桌子上面來了。
庄五郎が驚いて拾って見ると、その一文銭は、ほんのりと温かでした。
五郎先是撿起一枚、發現這錢怎麼都還有溫度哦?
「まるで、ふところに入れていたような温かさだ」
這好像就是才從心口前裡面掏出來樣的啊?
庄五郎が言うと、おかみさんはにっこり笑って、
「はい。いつも降ってきた直後の一文銭は、そんな温かさがあります。さあどうぞ、その銭をお持ちください。」
堂客這就笑到跟五郎解釋、講這確實是炦的、只要是每次剛下錢雨落下來的錢、還要人幫錢拿走、留個福報。
と、一文銭を三枚とも庄五郎にくれました。
庄五郎は礼を言うと、庄屋と一緒に家を出ました。
這就扯了這麼久的卵談、完事都還有三枚銅板領、五郎都不曉得這生意別個是怎麼賺的了、也就不好意思要取梯子上人天花板看人男人到上面吧。
そのとたん、外で待っていた見物人が、どっと家の中へ入っていったのです。
五郎前踋屁股剛走、這就又看屋子裡面又是過進去人了。
「これは、うわさ以上だな。それにしても嘉兵衛という男は、どんな男なのだ?」
庄五郎が思わずつぶやくと、庄屋が言いました。
五郎這就問里長這屋男人嘉兵衛別個是條搞甚麼的?
「はい。嘉兵衛もおかみさんも、今時は珍しい程、正直で真面目で、それに欲のない人です。 なにしろ、仕事と、お寺にお参りするのが、何よりの楽しみなのですから」
人就講這嘉兵衛是條信徒、天天幫廟裡面跑到的、現在屋裡這麼窮就是因為幫全財產捐了、為了跟佛祖打造不敗金身、他搞這些事反正就是最快樂的、我看他天天都好開心。
「なるほど。そう言えば、あれほどのお金が降ってくるのに、粗末な家のまま暮らしているのだからな。あの様な人物だからこそ、仏はお金を降らせてくれるのか。わたしには、とうてい真似は出来ないな」
開心就好、開心就好啊、自己幫錢全捐了、天天睡廁所、五郎就想這是自己肯定辦不到、也是想人還真虔誠啊、他這麼搞連佛祖都看不落去了、怕別個幫自己玩死、天天給你爆金幣來了、跟你資助了這麼多、現在還是條這麼屋、佛祖看了都要喊屌、㫘自己你是真見我來了。
庄五郎はそう言うと、感心しながら湯治に出かけました。
浪費了一大堆時間不過得了三個銅板算是點補償、雖然人五郎也看不太上就是了、也好、聽了個樂子、五郎這就繼續逽溫泉泡到舒服去咯。
おしまい
结束
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