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3月3日のイソップ童話
王さまライオン
あるライオンが王さまになりました。
それは、おこりっぽくもなく、ざんこくでもないし、らんぼうものでもなくて、まるで人間と同じように、やさしくて、公平な王さまでした。
この王さまライオンは、動物たちがおたがいにゆるしあって、仲なおりするように、あるとき、すべての動物をよびあつめました。
「よいか、オオカミはヒツジにあやまれ、ヒョウはカモシカに、トラはシカに、イヌはウサギに、みんなあやまって、これからはなかよくくらせ」
王さまライオンがこう言いますと、おくびょうもののウサギは、すっかりかんげきしてさけびました。
「まあ、わたしのように弱いものが、強くてらんぼうなけだものにだいじにしてもらえるなんて。本当に、こういう日が来ることを、いままでどれほど願っていたかしれません」
正義が国をしはいして、さいばんが正しくおこなわれれは゛、弱い人々も、安心してくらせるものです。
おしまい