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3月4日のイソップ童話
ロバをかう人
ある人がロバ(→詳細)をかおうとして、ためしに一ぴきをえらんでうちへ連れかえり、自分のロバたちのいるところへ、ひっぱっていきました。
するとそのロバは、ほかのロバには見むきもしないで、いちばんなまけ者で大食いのロバのそばへいきました。
そして、いちばんなまけ者で大食いのロバといっしょに、なんにもしないで、じっとしています。
買い手は連れてきたロバを、もとの飼い主のところへ連れもどしました。
「このロバはだめだから、かえすよ」
「なぜ、そんなにかんたんに、だめだとわかったのですか」
「これ以上、テストする必要はありません。たくさんのロバの中から、あいつがなかよしにえらんだやつと、同じせいかくにきまっていますから」
他人がわたしたちを判断するときも、いつもいっしょにいるなかまとわたしたちは、似たものどうしなのだろう、と考えるものです。
おしまい