福娘童話集 > きょうのイソップ童話 > 4月のイソップ童話 > ラクダとゼウス
4月7日のイソップ童話
ラクダとゼウス
ラクダは雄牛の角を見て、うらやましくなりました。
「ああやって、大きな角を振り立てているのはすてきだなあ。ぼくも欲しいなあ」
そこでラクダは、ゼウス(→詳細)の神のところへいって、
「どうか、ぼくにも角を生やして下さい」
と、お願いしました。ゼウスは、
「なにをいうか。おまえには大きくてりっぱなからだと、強い力をさずけてやったのに、まだ不服なのか」
といって、角をあたえなかっただけでなく、ラクダの耳を少しけずり落としてしまいました。
欲ばりの不平は、他人をうらやんでいるために、せっかく自分が持っているよいところに気がつかないで、しまいにはそれまでだめにしてしまうものです。
おしまい