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4月19日のイソップ童話
冬と春
あるとき、冬が春をバカにして、さんざんののしりました。
「あんたが姿をあらわすと、人間はみんな落ちつかなくなってしまう。野原や森へ花をつみに出かけて、つんだユリやバラをくるくるまわしてみたり、髪にさしたりする人もいるし、船をこぎ出して、海をこえて外国までいく人もいるし、みんなうかれて、風や雨のことなど考えようともしないありさまだ。それにひきかえ、わたしはおそろしい王さまみたいなものよ。わたしは人間が空ばかり見ないで、ちゃんと、自分の足もとの地面を見るようにしてやる。わたしはみんなをこわがらせ、ふるえさせるのよ。外に出るのをあきらめて、一日中、家に閉じこもっているようにさせてやるのよ」
冬がいばっていると、春は、
「だから、人間はあなたがいなくなくとホッとして、おおよろこびするのですよ」
このように、人にきらわれているのが自分でわからない人はおおぜいいます。
おしまい