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4月23日のイソップ童話
ロバと植木屋
ロバ(→詳細)が植木屋につかわれていました。
さんざんはたらかされるのに、食べ物はすこししかもらえないので、ロバはゼウス(→詳細)の神に、
「どうか、わたしがあの植木屋のところではたらかないですむように、ほかの主人にかえて下さい」
と、お願いしました。
ゼウスはロバの願いを聞きいれて、陶芸家に売られることにしてやりました。
しかしロバは、この家もまたいやになりました。
前よりもこきつかわれ、ねんどや陶器をはこばされるからです。
それでロバは、また主人をかえて下さいとゼウスにお願いして、こんどは皮なめしの職人に売られました。
こうしてロバは、けっきょく、いままでのどの主人よりも、ロバをこきつかう人につかわれることになったのです。
皮なめしの仕事がわかったとき、ロバは、ためいきをついていいました。
「ああ、なんということになってしまったんだろう。はじめのご主人のところにいればよかった。ここにいたら、きっと自分の皮までなめされてしまう」
この話は、めしつかいというものは、いろいろな主人につかえた後で、はじめて、さいしょの主人のよさがわかるものだ、ということをしめしています。
おしまい