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5月12日のイソップ童話
船旅をする人たち
人々が船にのって海に出ました。
ずっと沖へ出たとき、はげしい嵐がおこって、船は今にも沈みそうになりました。
船にのっていた客の1人は、着ものをひきさいて泣きわめきながら、
「神さま、お助け下さい。船を沈めないで下さい。助けて下さったら、いくらでも感謝のおそなえをします」
と、大声でいのりました。
ところが、嵐がしずまると、みんなはごちそうを食べたり、おどったり、飛びはねたりしました。
もう、安心だと思ったのです。
しかし、船長は考え深い人でしたから、うかれているお客たちにいいました。
「みなさん、楽しむのはけっこうです。ただし、いつまた嵐が来るかもしれないことをお忘れなく」
うまくいったときに安心してとくいになってはいけません。
さいなんは、またくるかもしれませんよ。
おしまい