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6月20日のイソップ童話
2匹のイヌ
ある人が2匹のイヌをかっていました。
一ぴきは猟に連れていくために訓練し、もう一ぴきは番犬にしました。
さて、主人は猟犬を連れて猟に出かけ、えものをとってかえるたびに、かならず番犬にもえものをすこしわけてやるのでした。
猟犬は不平顔で、番犬にいいました。
「いつだって、ぼくだけ猟にいかされて、さんざん苦労してるのに、きみはうちで「のほほん」としていて、ぼくがはたらいてかせいできたごちそうを、ぱくぱく食っちまうんだからな」
番犬は答えました。
「いやあ、きみ、ぼくを責めるのはまちがいだよ。不平はご主人にいってくれ。自分ではたらかないですねかじりをするように、ぼくをしこんだのはあの人なんだから」
なまけ者の子どもについても、同じことがいます。
なまけ者になるように両親がそだてたのだったら、子どもに罪はありません。
おしまい