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7月1日のイソップ童話
ミツバチをかう人
ある人が、ミツバチの飼育場にしのびこんで、ハチミツのはいった巣をぬすみました。
ミツバチの飼い主は、出先からかえってみると巣箱がからっぽになっているので、立ちどまってしらべていました。
そこへ、ミツをあつめにいっていたハチたちがもどってきて、飼い主をみつけるといっせいにおそいかかって、さんざんに刺していためつけました。
「ひどいやつらだ」飼い主はいいました。
「巣をぬすんだどろぼうには、なんにもしないで、毎日せわをしてやっているわたしを、こんなひどい目にあわせるなんて」
こんなふうに、知らないために敵を警戒することをわすれ、はんたいに、味方をうたがって追い返すばあいがよくあるものです。
おしまい