１ねんせいのイソップどうわ



おひゃくしょうさんと　ワシ

　おひゃくしょうさんが、　はたけへ　でかけて　いきました。
　とちゅうで、　ワナに　かかった　１わの　ワシを　みつけました。
「はねも　すがたも　なんて　うつくしいのだろう。　さすがは　とりの　おうさまだ」
　おひゃくしょうさんは　かんしんして　ながめるうちに、　ワシを　にがしてやりたく　なりました。
　ワナを　はずしてやると、　ワシは　つばさを　ひろげて、　おおぞら　たかく　とびさって　いきました。
　なんにちか　たって、　おひゃくしょうさんが　ふるい　いしかべの　したに　こしを　おろし、　ひとやすみ　しているときでした。
　とつぜん　あのときの　ワシが　あらわれて、　おひゃくしょうさんの　あたまから　ぼうしを　うばいとりました。
「なっ、　なにをする」
　おひゃくしょうさんは　たちあがり、　あとを　おいました。
　すると　ワシは、　ぼうしを　おとして　どこかへ　いってしまいました。
　おひゃくしょうさんが　それを　ひろって　うしろを　ふりむくと、　さっきまで　じぶんが　すわっていたところに、　いしかべが　こわれて　たおれて　いるでは　ありませんか。
　ワシは、　おひゃくしょうさんに　たすけられた　おんがえしを　したのでした。

　ひとから　しんせつに　されたときは、　おんがえしを　しなければ　なりません。
　そうすれば、　あなたが　ひとに　しんせつに　したとき、　おんがえしを　してもらえるかも　しれませんよ。

おしまい