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2月27日の小話
ふとん
貧乏な親子がいました。
いつもねるときは、ござをかぶって、ねております。
親父は、むすこにいつも、言い聞かせておりました。
「こりゃ、坊主。ひとの前では、けっして、ござをかぶってねているなどというなよ。かならず、ふとんでねているといえ」
「はい」
あるとき親子が、となりの家へ遊びにいき、ふと、親父のかみの毛に、わらくずがついているのにむすこが気がついて、
「ととさん、ととさん、頭に、ふとんがついているよ」
おしまい