福娘童話集 > きょうの江戸小話 > 3月の江戸小話 > トンビとカラスの話
3月2日の小話
トンビとカラスの話
三助(さんすけ)という男がいいました。
「このあいだ、トンビとからすが話をしているのをきいたぞ」
「そいつは、ふしぎな。して、なんといっていた」
「このあいだ、大家の屋根の上で、トンビが、魚を食っていたとおもいねぇ」
「うんうん」
「そこへ、カラスがとんできてな、『買った? 買った?(カァー、カァー)』というんだ。トンビはなんていったとおもう」
「さあ、わからん」
「『ひぃーろうた、ひぃーろうた(ピーヒョロ、ピーヒョロ)』と、こたえたんだ」
おしまい