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1ねんせいのえどこばなし
みうちのもの
むかしの ことで ございます。
おしらすと いって、 わるいひとが さいばんを うけるところが ありました。
あるとき、 おおぜいの わるものたちが、 おしらすに ならんで、 さいばんを うけていると、 わるものたちの あたりで、
「ブウゥーーーッ!」
と、 おおきな おならのおとが しました。
「いまの おとは なんのおとだ? けものでも、 はいってきたのか? つかまえて まいれ」
と、 さいばんを している、 おやくにんが、 けらいに いいつけました。
さっきのおとが おならのおとだと しっている けらいたちは、 こまってしまい、
「それは・・・、 その・・・、 つかまえられませぬ」
と、 いいますと、 おやくにんは めを つりあげて、
「なに! なんとしても、 つかまえてくるのだ!」
と、 きびしく めいれいしました。
かといって、おならを つかまえることは できず、 こまった けらいたちは、 しばらく かんがえて おりましたが、 そのうち、 べんじょへ はしってゆき、 うんこを かみにのせて もどって きますと、 うやうやしく おやくにんへ さしだし、
「おそれながら、 はんにんは、 にげうせて しまいましたので、 みうち(→かぞく)の ものを つかまえて まいりました」
たしかに、 うんちも おならも かぞくのようなものですね。
おしまい
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