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3年生の江戸小話(えどこばなし)
しゃっくりざむらい
さむらいが、住吉神社(すみよしじんじゃ→大阪(おおさか)の住吉(すみよし))の参道(さんどう→神社(じんじゃ)に参拝(さんぱい)するためにつくられた道)で、しゃっくりが出て、とまらずに、こまっておりました。
「だれか、しゃっくりをとめてくれぬかのう。礼(れい)はするのだが」
すると、道ばたにねていたこじきが、むくむくとおきあがり、いきなり、
「おのれ、親のかたき、かくごしろ!」
と、竹のぼうをふりまわしてきました。
「おいおい! せっしゃ、親のかたきなどといわれるおぼえはない。あわてるな」
すると、こじきは、きゅうに声をやわらげて、
「おさむらいさま。しゃっくりは、とまりましたか?」
「うむ、とまった、とまった」
「では、お礼(れい)に、一文(三十円)くださりませ」
おしまい
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