福娘童話集 > きょうの江戸小話 > 4月の江戸小話 > 貧乏神のご開帳
4月26日の小話
貧乏神のご開帳
いつもはやらない回向院(えこういん)という寺は、今日は、おすなおすなのひとごみです。
「いったい、今日は、何の日ですかい」
旅のひとがたずねますと、境内(けいだい→神社のなか)の男が、
「貧乏神(→詳細)のご開帳(かいちょう→ふだんは見せない物を見せること)さ」
「はて? 貧乏神なら、みんなきらってこないとおもうが」
すると、一まいのはり紙を指さし、
「これだから、いくのさ」
と、いいます。
はり紙をよんでみると。
《ご参拝(さんぱい→神社にまいること)なきかたへは、こちらよりうかがいます。貧乏神より》
おしまい