福娘童話集 きょうの小話
福娘童話集 > きょうの江戸小話 > 7月の江戸小話 > かみのふんどし

7月13日の小話

かみのふんどし

かみのふんどし

 いくにちも、めしにありつけないでいた、ろうにん(お城ではたらいていない武士の事で、たいていが貧乏)が、となりの家によばれました。
「むぎめしだが、えんりょなく、おたべなさい」
「これはかたじけのうござる。それでは、おことばにあまえまして」
 さあ、ろうにんのたべること、たべること。
 となりの家のひとがしんぱいするほどたべて、さらに、おかわりをたのみました。
 すると、ろうにんのおおきくなったはらが、
パチン!
と、なりました。
 それを聞いて、家の人がおどろきました。
 たべすぎて、ろうにんのはらがやぶれたにちがいないと、思ったからです。
「たいへんだ! いそいで、てあてをせねばなりますまい。まずは、おびをときなされ」
 すると、ろうにんは、きまりがわるそうにあたまをかくと、
「しんぱいない。金がないので、かみで作ったふんどしのひもが、きれただけじゃ」

おしまい

366日への旅 トップへ移動

今日は何の日へ移動  今日の誕生花へ移動  今日の誕生日へ移動
福娘童話集 きょうの世界昔話  福娘童話集 きょうの日本昔話へ移動 今日のイソップ童話へ移動

トップページへ移動   このページを閉じる   ホームへ移動