|
|
1ねんせいのえどこばなし
へ、ひとつで ぜんめつ
むかしむかし、 あるむらに、 へっぺりむすめと いわれて、 よく おならをする むすめが おりました。
「こんなむすめは、 いっしょう、 およめに ゆけまい」
と、 おやたちは しんぱいして いました。
ところが、 どうしたことか、 むらの ちょうじゃから、 ひとりむすこのよめに ほしいと いって きたのです。
そして いよいよ、 むすめが ちょうじゃのところへ、 よめにいくと いうとき、 ははおやは、
「よめに いったら、 よくよく、 へ には、 きをつけるんだよ」
と、 いって きかせました。
およめさんになった むすめは、 まいにち、 まいにち、 じっと、おならを がまんして いましたが、 そのうちに、 どうしても、 がまんが できなくなり、 かぞくみんなの いるまえで、
ブーーッ!
と、 やって しまったのです。
そのばん、 むすめは はずかしさの あまり、 いけに とびこんで しんで しまいました。
それを しった おむこさんは、
「あんな いいよめを、 へ 1つくらいで ころしてしまうとは、 なんとも、 もうしわけない」
と、 これも、 およめさんの あとを おって、 いけに とびこんで しんで しまいました。
これを しった ちょうじゃふうふも。
「ひとりむすこに しなれては、 もう いきているかいも ない」
と、 おなじいけに、 ふたりいっしょに とびこんで しまいました。
そして、
「あの ちょうじゃが いなくては、 このまずしいむらは、 とうてい、 やって いけない」
と、 むらの ひとたちが つぎつぎと、 いけに とびこんだため、 とうとう むらは、 ぜんめつして しまいました。
おしまい
|
|
|