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1ねんせいのえどこばなし
かきどろぼう
ある、 くらいよるに、 ふたりの わかいおとこが、 こそこそと はなしを しております。
「こんやは、 まっくらやみ だから、 となりの かきを ぬすもうじゃ ないか」
「うん、 それじゃあ、 おれが きに のぼって、 ぼうで たたきおとすから、 おまえは、 したで ひろってくれ」
そうだんが まとまると、 さっそく、 ひとりの おとこが きに のぼり、 ぼうで たたきますと、 かきは ごろごろ おちてきます。
したで ひろうおとこは、 あわてて ひろいはじめましたが、 あんまり あわてたので、 どぶのなかに おちてしまい、 どうしても あがれません。
「おーい、 おちた おちた」
どぶに おちた おとこが さわぐと、
「おちるはずだよ。 たたいてるんだから」
「いやいや、 おちた おちた」
「あたりまえだ。 はやく、 ひろえ」
「ちがう、 どぶに おちたんだ」
すると、 きの うえの おとこは、
「どぶ? そこにあるのは こえだめ(→はたけの ひりょうにする うんちや おしっこを いれておくところ)だ。 そんなところに おちたのは、 きたないから、 すてておけ」
おしまい
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