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10月24日の小話
ネズミの嫁入り
あるところ、ネズミの家族がおりました。
ある日のこと、嫁(よめ)にやったむすめのネズミが、ひょっこり家にもどってきました。
「おら、もう二度とあの家には帰りたくねえ」
「むすめよ、いったい何があったんだ、何がそんなに、がまんできねえ」
親ネズミが心配してたずねてみたら、むすめのネズミは、
「たいていのことはがまんしても、あのしゅうとめ(だんなの母親)の猫なで声だけは、どうにもがまんできねえ」
おしまい