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12月20日の小話
柱という字
ある男が、となりの男にききました。 「はしらという字は、どう、かいたっけ?」 「木へんに、主と書くのさ」 と、空中へ書いてみせて、あわてて、手で消すようにします。 「なんだ、紙の上じゃあるまいし、ちゅうに書いたのに、消すことはないじゃあないか」 と、いうと。 「いいや、消しておかないと、人がぶつかる」 ぶつかりません。
おしまい