福娘童話集 きょうの日本民話
福娘童話集 > きょうの日本民話 > 8月の日本民話 > だいだらぼっち

8月8日の日本民話

だいだらぼっち

だいだらぼっち
神奈川県の民話神奈川県情報

 むかしむかし、だいだらぼっちという、山よりも大きな大男がいました。
「小さい、小さい。どんな山でもおれより小さいな。この世には、おれよりも大きなものはいないのだ」
と、いつもいばっていましたが、ある日の事、だいだらぼっちは自分よりも大きな、富士山という山を見つけたのです。
「むむむっ、おれよりも大きいとはなまいきな。ええい! 海のまん中へ持って行って、しずめてやるわ!」
 だいだらぼちは、まわりにあったフジツルをかきあつめると、それをたばねてなわにして富士山にグルグルとまきつけ、海まで引っ張っていこうとしました。
 しかし、さすがは日本一の富士山です。
 だいだらぼっちがいくら引っ張っても、ビクともしません。
「えい、なまいきな山め!」
 だいだらぼっはフジツルのなわを体にまきつけると、「えい!」と、力まかせに引っぱりました。
 すると、
 ブチッ!!
 あまりの力に、フジツルのなわがきれてしまいました。
「これはいかん。今度ももっと丈夫なやつを」
 だいだらぼっちは、もっと太いなわを作ろうとフジツルを探しましたが、もうどこにもありません。
「ぐおおおっ、なんだ今日は、はらの立つことばかりだ! フジツルめ、もうここには生えるな!」
 だいだらぼっちは大きな足で地面をうちぬいて大きな穴を開けると、そのままどこかへいってしまいました。
 それからそのふきん(相模野一帯)では、フジツルは生えないといいます。
 そしてだいだらぼっちが足で開けた穴は沼となってのこり、鹿沼(かぬま)、しょうぶ沼が、それだといわれているのです。

おしまい

366日への旅 トップへ移動

今日は何の日へ移動 今日の誕生花へ移動 今日の誕生日へ移動
福娘童話集 きょうの世界昔話  福娘童話集 きょうの日本昔話へ移動 今日のイソップ童話へ移動 きょうの小話へ移動

トップページへ移動   前のページへ戻る   ホームへ移動