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10月14日の日本民話
  
  
  
  永平寺のマメ太鼓
  福井県の民話 → 福井県情報
 むかしむかし、意地の悪い姑(しゅうとめ)さんと、おとなしくて素直(すなお)な嫁さんがいました。
   ある日の事、嫁さんが畑にマメをうえようとしている事を知った姑さんは、そのマメを生いりにしておきました。
   こうすると、マメは芽を出さなくなります。
   嫁さんはそのマメを見て少し変だと思いましたが、だまってマメをうえました。
   毎日毎日、マメの世話をするのですが、マメはいっこうに芽をだしません。
  「お前のうえかたが悪いから、一粒も芽がでないでないか」
  と、姑さんはいじわるく嫁さんをののしりました。
   しかしある日の事、一粒だけが芽をだしたのです。
   きっとその一粒だけは、運良くいられずにすんだのでしょう。
   そのマメはみるみる成長して、みあげるばかりの大木になり、数えきれないほどたくさんのマメがなりました。
   それをみた姑さんは自分のした事を反省して、それからは嫁さんをいじめなくなりました。
   仲良しになった嫁さんと姑さんは、そのマメの木で太鼓(たいこ)をつくり、永平寺(えいへいじ→福井県吉田郡永平寺町にある曹洞宗の大本山)に寄進(きしん)したという事です。
 その太鼓は今でも、永平寺の宝物の一つになっています。
おしまい