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1ねんせいのにほんみんわ
とりに なった おばあさん
おきなわけん の みんわ
むかしむかし、 てっぽううちの おじいさんがいて、 まいにち やまへいっては、 とりや けものを とっていました。
あるひのこと、 いつものように やまへ でかけると、 いままで みたこともない うつくしい きんいろのとりが とんできました。
(なんて うつくしいとりだ。 もしかして、 かみさまの とりかも しれないぞ)
おじいさんは、 てっぽうを うつのを やめて みとれて いました。
すると きんいろの とりが、 おじいさんの そばに きて いいました。
「どうして わたしを うたないのですか? とりを うたなくては くらして いけないのでしょう」
「いいや、 わしは ばあさんと ふたりぐらし。 おまえ1わを うたなくても、 なんとか くらしていける。 おまえみたいな うつくしいとりを うつなんて、 わしには できないよ」
おじいさんが、 そういうと。
「そうですか。 では ふたりが らくにくらして いけるように してあげますから、 これからは とりや けものを とるのは やめてくださいね」
そういったかと おもうと、 きんいろのとりは まっすぐ おじいさんの いえのほうへ とんでいきました。
(やっぱり、 かみさまの とりかもしれないぞ)
おじいさんが ふしぎにおもいながら、 いえに かえってみると どうでしょう。
いままで すんでいた ボロごやが、 りっぱな おやしきに かわっていたのです。
「こりゃ、 たまげた!」
おじいさんが ビックリしていると、 なかから おばあさんが でてきて いいました。
「りっぱな みなりのひとが やってきて、 あっと いうまに やしきをたて、 こめを どっさりはこんで くれたのです。 もう、 なにが なにやら」
そこで おじいさんは、 やまであった きんいろの とりのことを はなしてあげました。
「そうですか。 すると これは やまのかみさまの おめぐみかも しれませんね。 これからは もう、 とりや けものを うつのは やめてくださいね」
「ああ、 もう てっぽううちは やめだ。 これからは ふたりで のんびりくらそう」
おじいさんは そのときから てっぽううちを やめて、 おばあさんと ふたりで しずかに くらしました。
しごとを しなくても、 おかねも たべものも たくさんあるので、 すこしも こまりません。
ところが そのうちに、 このくらしに あきてきた おばあさんが いいました。
「ああ、 たいくつで しにそう。 とりみたいに そらを とぶことができたら、 どんなに たのしいでしょうね。 おじいさん、 いちどでいいから そらを とべるように、 きんいろの とりに たのんできて くれませんか」
おばあさんが そういうので、 おじいさんは やまへ でかけていって、 きんいろの とりに いいました。
「すまないが、 おばあさんのねがいを かなえてあげておくれ」
「わかりました。 すぐ とべるように してあげましょう」
おじいさんが いえにもどると、 どうでしょう。
おばあさんは 1わの からすに なって、 やねのうえに とまっているでは ありませんか。
とりになった おばあさんは、 おじいさんに いいました。
「そらを とびたいといっても、 まさか とりになるなんて。 はやく にんげんに もどしてください」
おじいさんは あわてて やまへ もどると、 きんいろのとりを さがしましたが、 きんいろのとりは にどと すがたを あらわしませんでした。
おじいさんは とりになった おばあさんを かわいがりながら、 ひとりで くらすように なったということです。
おしまい
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