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3月18日の世界の昔話

キツネとウマ

キツネとウマ
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 むかしむかし、お百姓(ひゃくしょう)さんの家で、長い間はたらいているウマがいましたが、もう年を取ったため、今ではまんぞくにはたらけません。
 するとお百姓さんは、食べ物もやらずに、ウマを追い出してしまいました。
 追い出されたウマがしょんぼり歩いていくと、キツネにバッタリとあいました。
「どうしたんだい? えらく元気がないじゃないか」
 そこでウマがわけを話すと、キツネは、
「よし、おいらが助けてやろう。そこにねっころがって死んだふりをしていなよ」
と言って、ライオンのところへ飛んでいきました。
「ライオンさん。あっちでウマが死んでいますよ。なかなかうまそうなウマですよ」
「そうか、では、さっそくいってみよう」
 ライオンはキツネについてきました。
 そしてウマを見ると、すぐにかぶりつこうとするので、キツネはあわてていいました。
「ちょっと待って下さい。ここじゃゆっくり食べられませんよ。ほかに横取りしようとする動物が来るかもしれませんし。わたしがウマとあなたのしっぽを結びつけてあげますから、あなたの家に持って帰ってゆっくり食べれば良いではありませんか」
「なるほど、それは良い考えだ」
 ライオンはうなづきました。
 ところがキツネは、ウマの長いしっぽの毛でライオンの足をグルグル巻きにして、ライオンの身動きを取れないようにしてしまいました。
「それ、ウマさん。ライオンは身動きできません。このまま家に帰りましょう」
 キツネが言うと、ウマは飛び起きました。
「よくもだましたな!」
 ライオンは大声でほえつづけますが、どうにも動くことができません。
 やがてウマは、ライオンをひきずったまま、お百姓さんの家まで帰っていきました。
 それを見たお百姓さんはビックリです。
 そして、感心してウマに言いました。
「お前は大したウマだ。お前のめんどうは、死ぬまでわたしが見てやろう。もう追い出したりしないから、安心するがいい」
 お百姓さんは、ウマに腹いっぱいごはんをあげ、死ぬまで大切にかわいがってやったそうです。

おしまい

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