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5月8日の世界の昔話

三人のなまけもの

三人のなまけもの
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 むかしむかし、ある王さまに、三人の王子がいました。
 王さまは、三人ともおなじようにかわいがっていたので、じぶんが死んだあとは、どの王子を王さまにしたものかとなやみました。
 そしていよいよ、王さまは死ぬというときになって、三人の王子をまくらもとによびよせると、こういいました。
「子どもたちや、わしはおまえたちのなかで一番のなまけものを、わしの死んだあとの王さまにしようとおもうのだが」
すると、いちばん年上の王子がいいました。
「おとうさま、それならばこの国はわたしのものでございますよ。なにしろわたしときたら、これからねようと横になっても、目を閉じるのがじゃまくさくて、そのままねむらないでいるのですから」
 それを聞いた、二ばんめの王子はいいました。
「おとうさま、この国はわたしのものでございますよ。なにしろわたしは、火のそばにすわってあたっているときに、いくら火があつくても、足を引っ込めるのがじゃまくさくて、足にやけどをしたくらいですからね」
 それを聞いた、三ばんめの王子がいいました。
「おとうさま、この国はぼくのものですよ。なにしろぼくは、これから首つりにされるとして、もしだれかがよく切れるナイフをもたせてくれて、これでなわを切るがいいといったとしても、ぼくは手をもちあげてなわを切るくらいなら、だまって首をしめてもらうほうがいいんですからね」
 王さまはこれをきくと、
「おまえがいちばんのなまけものだ。じゃあ、王さまにしてやろう」
と、いったそうです。

おしまい

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