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3年生の世界昔話(せかいむかしばなし)
ガリバーのぼうけん
スウィフトの童話(どうわ) → スウィフトのせつめい
♪音声配信(html5) |
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音声 得本綾(コトリボイス) ラジオHP |
むかしむかし、あるところに、ガリバーという若者(わかもの)がいました。
ガリバーは海が好(す)きで、船に乗(の)りこんでは、あちらこちらと旅(たび)を続(つづ)けています。
ところがあるとき、はげしいあらしにまきこまれて、船はしずんでしまいました。
さて、どれくらいたったのでしょう。
海に投げ出(なげだ)されたガリバーが、ふと気がつくと、からだをなわでしばられて、地面(じめん)にねかされていました。
あたりを見回すと、なんと、かぞえきれないほどの小人たちが集(あつ)まっているのです。
「なんと、知らないうちに、小人の国へ流(なが)れついたというわけか」
小人たちは、ガリバーをろう屋(や)へ運(はこ)ぶと、逃げ出(にげだ)せないよう、くさりでグルグルまきに、しばりあげてしまいました。
それから何日かたったある日、小人の王さまが、ガリバーを見にやってきました。
「王さま!」
ガリバーは、王さまにいいました。
「あばれたりはしませんから、どうか、くさりをはずしてください」
「・・・ふむ。体は大きいが、おまえは悪者(わるもの)ではなさそうだ。のぞみをかなえてやるとしょう」
よろこんだガリバーは、町の見物(けんぶつ)に出かけました。
小人の町の建物(たてもの)は、とても小さいものばかりで、ガリバーは建物(たてもの)や人をふみつぶさないよう、下ばかり向(む)いています。
さて、そんなある晩(ばん)、お城(しろ)で火事(かじ)がおこりました。
「これは大変(たいへん)。・・・そうだ」
ふと思いついたガリバーは、じぶんのボウシで池の水をすくうと、お城(しろ)の上へバシャンとかけました。
「すごい、あっというまに、火を消(け)してしまったぞ」
ガリバーの人気は、ますます高まるばかりです。
そこへ、知らせがとどきました。
海の向(む)こうの小人たちが、こちらの国へ、せめこんでくるというのです。
ガリバーは持(も)っていた望遠鏡(ぼうえんきょう)でのぞいてみると、海の上には、敵(てき)の国の小人の乗(の)った船がギッシリです。
「よし、わたしにまかせてください」
ガリバーは、つり針(ばり)のようなものをたくさん作ると、それを持(も)って海ヘ入っていきました。
「わあ、大男だあ!」
ビックリした敵(てき)の国の小人たちは、ビュンビュンと矢を飛(と)ばしてきますが、
「なんのこれしき。さあ、つかまえてやるぞ」
ガリバーはつり針(ばり)を、船の一つ一つに引っかけると、全部(ぜんぶ)まとめて、浜辺(はまべ)へ引っぱりあげてしまいました。
それを見た、敵(てき)の国の王さまは、
「まいりました。二度(2ど)とせめこんだりはしませんから、許(ゆる)してください」
と、あやまってきたのです。
小人たちはよろこんで、ガリバーをほめたたえました。
「ばんざい、ばんざい。ガリバー、ばんざい」
ところがまた、こまったことがおこりました。
ある日、ガリバーと仲(なか)のよい小人たちが、ガリバーのところへ走ってきたのです。
「大変(たいへん)です。王さまと大臣(だいじん)が、ガリバーさんを殺(ころ)す相談(そうだん)をしています。このままだと、ガリバーさんが王さまになるかもしれないからって」
「それはたいへん。でも、どうすればいいのだろう?」
「だいじょうぶです。いっしょに浜(はま)まで来てください」
見ると、浜辺(はまべ)の岩のかげに、一そうの大きなボートがかくしてありました。
「これに乗(の)って、あなたの国へお帰りなさい。無事(ぶじ)に帰れるよう、みんなでおいのりしていますからね」
「ありがとう。みんなのことは忘(わす)れないよ」
こうしてガリバーは、無事(ぶじ)にふるさとの家へ、戻(もど)ることができたのです。
おしまい
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