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ワイルド

　オスカー・ワイルド(1854〜1900)は、イギリスの小説家(しょうせつか)・劇作家(げきさっか)・詩人(しじん)・批評家(ひひょうか)で、「芸術(げいじゅつ)のための芸術(げいじゅつ)」を信条(しんじょう)とする唯美主義運動(ゆいびしゅぎうんどう)を主唱(しゅしょう)しました。　
　耽美(たんび)主義(しゅぎ)を信奉(しんぽう)する若者(わかもの)ワイルドは、髪(かみ)を長(なが)くのばし、ベルベットの半(はん)ズボンをはき、彼(かれ)の振る舞(ふるま)いは漫画雑誌(まんがざっし)「パンチ」の誌上(しじょう)でからかわれ、ギルバートとサリバンの喜歌劇(きかげき)「ペーシェンス」(1881)で風刺(ふうし)されましたが、しかしいっぽうでは、その機知(きち)、才気(さいき)、才能(さいのう)によって多(おお)くの信奉者(しんぽうしゃ)が生(う)まれました。

　初(はつ)の戯曲(ぎきょく)「ベラ、あるいはニヒリストたち」(1882)はニューヨークで上演(じょうえん)され、ワイルドは大成功(だいせいこう)をおさめましたが、1895年(ねん)、絶頂期(ぜっちょうき)にあったワイルドは19世紀(せいき)裁判史上(さいばんしじょう)もっともセンセーショナルな事件(じけん)の中心人物(ちゅうしんじんぶつ)となったのです。
　わかいアルフレッド・ダグラス卿(きょう)としたしい関係(かんけい)にあったワイルドが、同性愛(どうせいあい)の罪(つみ)に問(と)われたのです。
　有罪(ゆうざい)の判決(はんけつ)に、懲役(ちょうえき)2年(ねん)の刑(けい)を宣告(せんこく)され、97年(ねん)に出獄(しゅつごく)したときには、経済的(けいざいてき)に破綻(はたん)し、精神的(せいしんてき)にもうちのめされ、その後(ご)はセバスチャン・メルモスの仮名(かな)をつかってパリですごしましたが、脳膜炎(のうまくえん)のためパリで死去(しきょ)しています。

　「小学生童話(しょうがくせいどうわ)」に登場(とうじょう)する、ワイルドの童話(どうわ)。

・わがままな大男(おおおとこ)
・しあわせの王子(おうじ)