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しあわせの王子
ワイルドの童話(どうわ) → ワイルドの童話(どうわ)のせつめい

♪音声配信(html5)
朗読 : ことば工房
音楽著作:フリー音楽素材 H/MIX GALLERY  効果音著作:民潭/ポケットエポックメカニワ機械庭工房

♪音声配信(html5)
朗読 : 琵琶  運営サイト : 琵琶(びわ)

♪音声配信(html5)
朗読 : 佐々木久美子

♪音声配信(html5)
音声 ゲスト参加

 むかしむかし、ある町には、美(うつく)しい「しあわせの王子」の像(ぞう)がありました。
 ピカピカと、金色にかがやく体。
 青いサファイアのひとみ。
 腰(こし)の剣(つるぎ)には、大きいルビーがついています。
 町の人たちは、このすばらしい王子のように、しあわせになりたいと願(ねが)いました。
 冬が近づいてきた、ある寒(さむ)いタ方のことです。
 町にツバメが一羽、飛(と)んできました。
「ずいぶんと遅(おく)れちゃったな。みんなはもう、エジプトに着(つ)いたのかなあ。ぼくもあした、旅(たび)に出よう」
 ツバメは王子の足元にとまり、そこで眠(ねむ)ろうとしました。
 すると、ポツポツと、しずくが落(お)ちてきます。
「あれれ、雨かな? くももないのに・・・。あっ、王子さまが泣(な)いている。もしもし、どうしたのですか?」
 おどろいたツバメがたずねると、王子は答えました。
「こうして高い所(ところ)にいると、町じゅうの悲(かな)しいできごとが、目に入ってくる。でもぼくには、どうすることもできない。だから泣(な)いているんだよ。ほら、あそこに小さな家があるだろう。子どもが病気(びょうき)で、オレンジがほしいと泣(な)いている。お母さんは一生けんめい働(はたら)いているのに、貧(まず)しくて買えないんだ」
「それは、お気のどくに」
「お願(ねが)いだ、ツバメくん。ぼくの剣(つるぎ)のルビーをあそこへ運(はこ)んでおくれ」
「・・・うん。わかった」
 ツバメはしぶしぶ、王子の腰(こし)の剣(つるぎ)のルビーをはずして、運(はこ)んでいきました。
 そして、熱(ねつ)で苦(くる)しんでいる男の子のまくらもとに、ルビーを置(お)くと、
「がんばってね」
 男の子をツバサで、そっとあおいで帰ってきました。
「ふしぎだな。王子さま、寒(さむ)いのに、なんだかからだがポカポカする」
「それは、きみがいいことをしたからさ、ツバメくん」
 つぎの日、王子はまた、ツバメにたのみました。
「ぼくの目のサファイアを一つ、才能(さいのう)のある貧(まず)しい若者(わかもの)に運(はこ)んでやってくれないか」
「でもぼく、そろそろ出発(しゅっぱつ)しなくちゃ」
「お願(ねが)いだ。きょう一日だけだよ、ツバメくん」
「・・・うん」
 ツバメの運(はこ)んできたサファイアを見た若者(わかもの)は、目をかがやかせました。
「これでパンが買える。作品(さくひん)も書きあげられるぞ」
 つぎの日、ツバメは、きょうこそ旅(たび)に出る決心(けっしん)をしました。
 そして王子に、お別(わか)れをいいにいきました。
「王子さま、これからぼくは、仲間(なかま)のいるエジプトにいきます。エジプトはとてもあたたかくて、お日さまがいっぱいなんです」
 けれど、王子はたのむのでした。
「もう一晩(ひとばん)だけいておくれ。あそこでマッチ売りの女の子が泣(な)いている。お金をかせがないとお父さんにぶたれるのに、マッチを全部(ぜんぶ)(お)としてしまったんだ。だから、残(のこ)ったサファイアをあげてほしい」
「それでは、王子さまの目が、見えなくなってしまいますよ」
「いいんだ。あの子がしあわせに、なれるのなら」
 人のしあわせのために、自分の目をなくした王子を見て、ツバメは決心(けっしん)しました。
「王子さま、ぼくはもう、旅(たび)に出ません。ずっとおそばにいます。王子さまの目のかわりをします」
「ありがとう」
 ツバメは町じゅうを飛び回(とびまわ)り、貧(まず)しい人たちの暮(く)らしを見ては、それを王子に話して聞かせました。
「ぼくのからだについている金を、全部(ぜんぶ)はがして、貧(まず)しい人たちに分けてあげてほしいんだ」
 ツバメは、王子のいいつけどおりにしました。
 空から雪が、まい落(お)ちてきました。
 とうとう、冬がきたのです。
 さむさによわいツバメは、こごえて動 うご)けなくなりました。
「ぼくは、もうだめです。さようなら、王子さま。いいことをして、ぼくは、しあわせでした」
 ツバメは王子にキスをすると、力つきて死(し)にました。
 パチン!
 王子の心臓(しんぞう)は、寒(さむ)さと悲(かな)しみのたえかねて、はじけてしまいました。
 つぎの朝、町の人たちは、しあわせの王子の像(ぞう)が、すっかりきたなくなっているのに気づきました。
「美(うつく)しくない王子なんか、必要(ひつよう)ない。とかしてしまおう」
 ところがふしぎなことに、王子の心臓(しんぞう)は、どんなにしてもとけません。
 シカたがないので、心臓(しんぞう)だけは、そばで死(し)んでいたツバメといっしょにすてられました。
 そのころ、神(かみ)さまと天使(てんし)が、この町へやってきました。
「町でいちばん美(うつく)しいものを、持(も)っておいで」
 神(かみ)さまにいいつけられて、天使(てんし)が運(はこ)んだのは、王子の心臓(しんぞう)とツバメでした。
 神(かみ)さまはうなずきました。
「よくやった。これこそが、この町でいちばん美(うつく)しいものだ。王子とツバメは、たいへん良(よ)いことをした。この2人を天国にすまわせよう。きっと、しあわせに暮(く)らすことだろう」

おしまい

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