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おいしいおかゆ(Delicious Porridge)

おいしい おかゆ
(グリムどうわ)

おりがみをつくろう ( おりがみくらぶ より)
なべ(はこ)の折り紙なべ(はこ)

♪にほんごのろうどく
TIME 4:49   ろうどく ことば工房



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 むかしむかし、ある まち に、とても びんぼう な いえ が ありました。

 すんでいる のは、こころ の やさしい おんなのこ と おかあさん の ふたり です。


 あるひ の こと。この いえ には たべるもの が、もう なに も なくなって しまいました。

「こまったわね。すまない が もり へ いって、きのみ を ひろってきておくれ」

 おんなのこ は おかあさん に いわれて、もり へ きのみ を ひろいに いきました。

 すると、ひとり の おばあさん が あらわれて たずねました。

「おや、こんな もり の なか に ひとり で くるなんて。どうしたんだい?」

「はい、いえ には たべるもの が なに も ないので、きのみ を ひろいに きました」

「そうかい、それは かんしんだねえ。じゃあ、おばあさん が よいもの を あげよう」

 そういって おばあさん は、おんなのこ に ふるぼけた おナベ を くれました。

 それは、とても ふしぎ な おナベ でした。

 おナベ に むかって、

「おナベよ、にえろ」

と、いうと、あたたかくて おいしい おかゆ が しぜん に でてきて、

「おナベよ、とまれ」

と、いう まで、おかゆ は でてくるのです。

 おかげ で おんなのこ も おかあさん も、おなか が すいて こまる こと は なくなりました。


 あるひ、おんなのこ が となり の まち へ でかけたあとで、おかあさん は おかゆ が たべたくなりました。

 そこで おんなのこ の まね を して、

「おナベよ、にえろ」

と、いって みました。

 すると、おナベ は ちゃん と おかゆ を つくってくれました。

 ところ が おかあさん は、おかゆ の とめかた を しらなかったのです。

「おナベよ、もう いらないよ。おなか は いっぱいだよ」

 いくら おかあさん が そういっても、おかゆ は どんどん にえて、おナベ から あふれだしました。

 やがて おかゆ は だいどころ から あふれでる と、いえじゅう を いっぱい に して、とうとう いえ の そと へ ながれだしました。

 それでも おかゆ は、とまりません。

 となり の いえ も、その となり の いえ も、そのまた となり の いえ も、とうとう まちじゅう が おかゆ だらけ に なってしまい、まち の ひとたち も みんな おかゆ に ながされていきます。

 そして、おかゆ が まちはずれ まで きたとき、となり の まち から おんなのこ が かえってきました。

 おんなのこ は、ビックリ して いいました。

「おナベよ、とまれ!!」

 やっと、おかゆ は とまりました。

 そのご、まち の ひとたち は まちじゅう に あふれている おかゆ を すこしずつ たべながら、じぶん の いえ へ かえっていったそうです。


 つかいかた を しらない もの を かって に つかう と、とんでもないこと に なるという おはなしでした。

おしまい

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