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ふくむすめどうわしゅう > がいこくご (にほんご) > せかいのむかしばなし

ラプンツェル
Illustration 和穗かなた  運営サイト ここあ

ラプンツェル
(グリムどうわ)

♪にほんごのろうどく
TIME 28:08   ろうどく 朗読 ことば工房 BGM:フリー音楽素材 H/MIX GALLERY



にほんご ←→ にほんご & えいご ←→ えいご

ラプンツェル

 むかしむかし、あるところに、こども の いない ふうふ が いました。

ラプンツェル

 ふうふ は まいにち、かみさま に おねがいします。

「かみさま、どうか わたしたち に、こども を おさずけください」

ラプンツェル

 そんな あるひ、ふたり の ねがい が かみさま に とどいて、おくさん に あかちゃん が やどったのです。

「かみさま、ありがとうございました!」

  おくさん の おなか の あかちゃん は すくすく と そだち、あと は うまれるのを まつ ばかり です。

ラプンツェル


  さて、この ふうふ の いえ の となり には、おおきくて きれいな にわ の いえ が あります。

 この いえ の もちぬし は、ゴテル と よばれる まじょ です。

 むらびとたち は まじょ が おそろしくて、だれひとり この いえ に ちかよろうとは しませんでした。

ラプンツェル

 その まじょ が、おくさん の おなか に あかちゃん が やどった こと に きづいたのです。

ラプンツェル

  まじょ は にわ に でる と、にわ の はたけ で そだてている レタス に まほう を かけました。

「レタスたち よ、あの みごもった おんな を ゆうわく するのだ。あの おんな が おまえたち を、どうしても たべたくなる ようにね」

  すると まほう を かけられた レタス は、あわい ひかり を はなつように なりました。


 ある ひ、おなか の おおきく なった おくさん が、ふと、いえ の まど から まじょ の にわ を のぞきました。

ラプンツェル

  まじょ の いえ の にわ には うつくしい はなばたけ や やさいばたけ が あり、その やさいばたけ に うえられた レタス を みた おくさん は、たちまち レタス に こころ を うばわれました。

「あの レタス、なんて おいしそう なんでしょう」

 おくさん は その レタス が、とても たべたく なりました。

 でも、その レタス は まじょ の もの なので、かって に たべたり したら どんな こと を されるか わかりません。

「だめよ。あれ は まじょ の レタス なのだから」

  おくさん は じぶん に いいきかせる と、ぐっと がまん しました。

 でも、レタス の まほう に かかってしまった おくさん には、もう レタス いがい の たべもの は かんがえられません でした。

ラプンツェル

  おくさん は そのひ から しょくじ を やめて、どんどん やせて いきました。

 それに きづいた おっと が、おくさん に たずねます。

「おまえ、どうして なにも たべないんだ?

 この いえ には、パン でも にく でも たくさん あるのに。

 なに も たべない では、おまえ にも おなか の あかんぼう にも よくないよ」

 すると おくさん は、はずかしそう に こたえました。

「ええ、じつ は レタス が どうしても たべたいの」

「なんだ、そんな こと か。それなら、すぐ に かってきて やるよ」

ラプンツェル

  おっと は すぐ に まち へ いく と、おくさん の ために レタス を やま の ように かって きました。

 しかし おくさん は、その レタス を たべようとは しません。

ラプンツェル

「ちがうの。あたし が どうしても たべたい レタス は、あの レタス なの」

 おくさん は そう いって まじょ の やさいばたけ に ある、あわい ひかり を はなつ レタス を ゆびさしました。

ラプンツェル

「なんだって! そんなこと を いったって、あの レタス は まじょ の もの だぞ」

「ええ、わかっているわ。でも、どうしても あの レタス が たべたいの

「しかし・・・」

 このまま おくさん が なに も たべなければ、おくさん も おなか に いる あかちゃん も しんで しまいます。

「・・・わかった。なんとか するよ」

ラプンツェル

 おっと は けっしん すると そのひ の よる、まじょ の にわ に しのびこみました。

ラプンツェル

 まじょ の にわ に しのびこんだ おっと は、まじょ の やさいばたけ から あわい ひかり を はなつ レタス の はっぱ を いちまい ぬすみとる と、それ を おくさん に たべさせました。

ラプンツェル

 すると レタス を たべた おくさん の あおじろいかお に、ぽっと あかみ が もどりました。

「ああっ、なんて おいしいのかしら」

  その ひ から おっと は まいばん まじょ の にわ に しのびこむ と、レタス の はっぱ を ぬすみとりました。

ラプンツェル

 そんな ある ひ、おっと が レタス の はっぱ を ぬすみとって いるの を、まじょ に みつかって しまったのです。

ラプンツェル

 まじょ は おそろしい め で、おっと を にらみつけました。

「わたし の たいせつな レタス を ぬすんでいたのは、おまえ か! このまま、いきてかえれる と おもうな!」

 すると おっと は、まじょ に て を あわせて あやまりました。

「おゆるし ください!

 じつ は わたし の つま が、まじょさま の レタス しか くち に しないのです。

 これ を たべない と、つま も おなか の あかんぼう も しんでしまいます」

ラプンツェル

 すると まじょ が きゅう に たいど を かえて、にっこり わらいました。

「そうかい。それは、たいへん だったね。

 それなら いくらでも すきなだけ、おくさん に レタス を たべさせてあげる と いいよ」

「ほっ、ほんとう ですか? ありがとうございます!」

 まじょ の ことば に、おっと は おおよろこび です。

ラプンツェル

 しかし まじょ は、ニヤリ と わらう と こんな こと を いいました。

「ただし、おまえ の おくさん が ぶじ に あかんぼう を うんだら、その こ を わたし に さしだすんだ。

 この わたし が ほんとう の ははおや の ように かわいがって、その こ を そだててやるよ」

「えっ?! そっ、そんな こと は。

 こども は、わたしたち の ねんがん だったのです。

 いくら なんでも、レタス の かわり に こども を やるわけには」

「そうかい。 なら、レタス は あげないよ。

  おまえ の おくさん も おなか の あかんぼう も、そのまま うえじに すればいい」

ラプンツェル

「そんな・・・」

  まじょ の レタス が て に はいらなければ、おくさん と おなか の あかちゃん は しんでしまいます。

 おっと は ふたり に しなれる よりも、せめて おくさん には いきてほしい と おもい、しかたなく まじょ と やくそく しました。

「・・・わかりました。このままでは、つま と おなか の あかんぼう は しんでしまいます。

  うまれた こども は あなた に さしあげます から、どうか レタス を わけてください」

「ああ、それ が いいよ。なあに、しんぱい する こと は ない。

 こども は わたし が、ちゃんと そだてて やるからね」

ラプンツェル

 やがて ふうふ に かわいい おんな の あかちゃん が うまれました が、すぐに まじょ が やってきて つれて かえりました。

ラプンツェル

  まじょ は その あかちゃん に、やせい の レタス と いう いみ の『ラプンツェル』と なづけ ました。

 まじょ に そだてられた ラプンツェル は、この せかい に ふたり と いない ほど うつくしい むすめ に そだちました。

  ラプンツェル が 12さい に なると、まじょ は ふと かんがえました。

「これだけ びじん だと、わたし の かわいい ラプンツェル に わるい おとこども が め を つける かも しれないね」

ラプンツェル

  そこで まじょ は もり の おく に いりぐち の ない たかい とう を つくる と、その とう の うえ の へや に ラプンツェル を とじこめる こと に したのです。

「これで よし。これで ラプンツェル は、わたし だけ の もの さ」

 この とう には いりぐち が ないので、いくら まじょ でも なか に はいる こと が できません。

ラプンツェル

 そこで まじょ は ラプンツェル に あい に いく とき、とう の した から ラプンツェル に おおきな こえ で いうのです。

「ラプンツェル! ラプンツェル! おまえ の うつくしい かみ を、たらして おくれ!」

  すると ラプンツェル は おうごん を ほそながく ひきのばして つくった ような、ながくて うつしい きんぱつ を とう の した に のばします。

  まじょ は その ラプンツェル の ながい きんぱつ を のぼって、ラプンツェル に あい に いく です。

ラプンツェル

  ラプンツェル が とう の うえ で くらす ように なってから、3ねんめ の あるひ。

  この くに の おうじ が、うま に のって もり を とおりかかりました。

「まったく、ちちうえ にも こまった ものだ。

  ぼく の かお を みる たび に、はやく けっこん しろ と いう の だからな。

 そんな に あわて なくても、きっと うんめい の であい が あるさ」

 おしろ に いる と ちちおや で ある おうさま に けっこん の こと ばかり いわれる ので、おうじ は にげる ように もり へ さんぽ に きたのです。

 もり を すすむ に つれて、あたり が うすぐらく なってきました。

「そう いえば、この もり には まじょ が すんでいる そうだ。き を つけないと な」

ラプンツェル

  その とき、おうじ は もり の おく から、てんし の ような うつくしい うたごえ を きいたのです。

♪ラララー、ララララーー ♪ラララー、ララララーー

「なんて うつくしい うたごえ だろう」

 おうじ は うたごえ を たより に もり の おく へ はいっていき、とう の うえ に とじこめられている ラプンツェル を みつけました。

ラプンツェル

 うつくしい うたごえ は、ラプンツェル が とう の うえ から うたっていた ものです。

 おうじ は ラプンツェル の うつくしさ と うたごえ に、こころ を うばわれました。

「あの おんな の ひと こそ、わたし の うんめい の ひと に ちがいない」

 ラプンツェル に ひとめぼれ を した おうじ は、ラプンツェル の いる とう の した に やってきました。

 しかし この とう には、どこ を さがして も いりぐち が ありません。

「こんな とう を つくる のは、きっと まじょ に ちがいない」

ラプンツェル

 すると そこへ、まじょ が たべもの を もって やってきました。

 おうじ は まじょ に みつからない よう、すぐ に かくれました。

 まじょ は おうじ が かくれている とも しらず、いつも の ように とう の うえ の ラプンツェル に よびかけます。

「ラプンツェル! ラプンツェル! おまえ の うつくしい かみ を、たらして おくれ!」

 それ を きいた ラプンツェル が あんだ かみのけ を した に たらす と、まじょ は それ を つたって とう の うえ に のぼって いきます。

 これ を みた おうじ は、まじょ が かえる と とう の した に いって いいました。

ラプンツェル

「ラプンツェル! ラプンツェル! おまえ の うつくしい かみ を、たらして おくれ!」

 すると とう の うえ から ラプンツェル の かみのけ が おりて きたので、おうじ は その かみのけ を つたって とう の うえ へ のぼって いきました。

「おばあさん、なにか おわすれもの ですか?」

ラプンツェル

 そう いった ラプンツェル は、のぼってきた のが おうじ だった ので びっくり です。

「あっ、あなた は だれ!?」

 ラプンツェル は いままで まじょ と くらしていたので、おとこ の ひと を みたこと が なかったのです。

 おうじ は ラプンツェル に、にっこり ほほえみました。

「とつぜん あらわれて、すみません。じつ は あなた の うたごえ に こころ を ひかれて、ここ に やってきたのです」

 ラプンツェル は とても おどろきました が、しかし おうじ の やさしい えがお を みて あんしん しました。

ラプンツェル

 まじょ が ラプンツェル の ところ に やってくる のは いつも ひるま だったので、その ひ から おうじ は まいにち ゆうがた に なると ラプンツェル に あい に いきました。

ラプンツェル

 おうじ は ラプンツェル に、いろいろな こと を おしえてくれました。

 このくに は とても ひろく、おおぜい の ひと が すんでいる こと。

 くに の そと には さらに おおきな せかい が ひろがっていて、そこには うみ や やま が ある こと。

 おうじ は おしろ に すんでいて、このくにの ため に はたらいている こと。

 まじょ の おばあさん と、この とう が すべて だった ラプンツェル には、とても すてきな おはなし ばかり です。

ラプンツェル

 おうじ の はなし を きくうち に、ラプンツェル は そと の せかい へ いってみたい と おもうように なりました。

ラプンツェル

 そんな ある ひ、おうじ が ラプンツェル に いいました。

「ラプンツェル、ぼく は あなた が すきです。どうか この とう を でて、ぼく と いっしょ に しろ で くらして くれませんか?」

「ええ。わたし も、あなた と いっしょ に そと の せかい へ いきたいの。でも、どうやって とう を でれば いいの?」

 ほか の ひと は ラプンツェル の かみのけ を つたって のぼりおり できますが、ラプンツェル じしん は とう を のぼりおり すること が できません。

 すこし かんがえた おうじ は、ラプンツェル に いいました。

ラプンツェル

「それでは、これから まいにち、きぬいと を すこしずつ もってきます。

 その きぬいと で はしご を あんで、ここから でて いきましょう」

 つぎ の ひ から おうじ は ラプンツェル の ところ に きぬいと を すこし ずつ もっていき、ラプンツェル は その きぬいと を あんで はしご を つくりました。

ラプンツェル

 さて、この とう の へや には、きぬいと の はしご を かくす ところ が ありません。

 そこで ラプンツェル は まじょ に きづかれない ように、つくった きぬいと の はしご を じぶん の ながい かみのけ の なか に かくしました。

 そして 1ヵげつ も すると、とう の した まで とどく きぬいと の はしご が かんせい したのです。

ラプンツェル

 いよいよ あした は、ラプンツェル が とう の うえ から にげだす ひ です。

ラプンツェル

 その ひ の おひる、いつも の よう に やってきた まじょ は、ラプンツェル の ながくて うつしい きんぱつ を なでながら いいました。

「おまえ の かみ は、いつ みても うつくしいね。

 これから も わたし の ため に、その かみ を のばし つづけるんだよ。・・・おや?」

ラプンツェル

 まじょ は ラプンツェル の かみ を なでながら、きんぱつ の なか に しろい もの が まじっているのに きづきました。

「これは なんだい? おまえ の うつくしい きんぱつ の なか に、しろい け が まじっているよ」

 そして まじょ は ラプンツェル が かみのけ の なか に かくしてあった、きぬいと の はしご を みつけたのです。

ラプンツェル

 まじょ は おそろしい め で、ラプンツェル を にらみつけました。

「なんだい! この かみのけ に、かくしている はしごは!

 もしかして おまえ、この わたし から にげる つもり なのかい!」

「ごめんなさい。でも、わたし、そと の せかい を しりたい の です」

「そと の せかい だって!? そうかい、おまえ に わるい おとこ が ついたんだね!

 せっかく おまえ を せけん から ひきはなして おいたのに、なんてことだい!

 いままで そだてて やった おん を わすれて でて いこう なんて、おまえ は なんて ばちあたり なんだ!

 おまえ なんか、もう わたし の むすめ じゃ ないよ!

 のぞみ どおり、そと の せかい に ほうりだして やるわ!!」

 まじょ は そう いう と おおきな ハサミ で ラプンツェル の ながく うつくしい かみのけ を、ジョキリ ジョキリ と みじかく きりおとし ました。

ラプンツェル

  そして ラプンツェル を とう から ひきづり だす と、きのみ きのまま で せかい の はて の あれの に ラプンツェル を おきざり に したのです。

ラプンツェル

 さて、そうとは しらない おうじ は、ゆうがた に なると とう の うえ に よびかけました。

ラプンツェル

「ラプンツェル、ぼく だよ。きぬいと の はしご で、おりて きて おくれ」

 しかし、ラプンツェル から の へんじ は ありません。

ラプンツェル

 そのかわり とう の うえ から、ラプンツェル の ながい かみのけ が おりて きました。

「おや? ぼくに、のぼって きて ほしい の かな?」

 おうじ は ラプンツェル の かみのけ を つたって、とう の うえ へ のぼって いきました。

ラプンツェル

 すると そこに いた のは ラプンツェル ではなく、あの まじょ だった のです。

 まじょ は おうじ を にらみつける と、いじわるく わらい ました。

「おやおや。だれかと おもえば、おうじさま だったのかい。

 ざんねん だけど おまえ の いとしい むすめ は、せかい の はて の あれの に すててきたよ」

ラプンツェル

「なんだって! よくも ラプンツェル に、ひどい こと を!」

ラプンツェル

「ひどい? ひどい のは、どっち だい?!

 おまえ の ほう こそ、わたし の かわいいい ラプンツェル を うばって おいて。

 おうじさま だから ころし は しない けど、ばつ と して おまえ の めだま を もらうよ」

 まじょ は そういって、おうじ を とう の うえ から した の イバラ の なか に つきおとしました。

ラプンツェル

「うわぁぁぁー!」

 イバラ の なか に つきおとされた おうじ は イバラ の トゲ が め に はいって、そのまま め が みえなく なって しまいました。

「あははははは! いい きみ だね。

 これで もし、おまえ が ラプンツェル と さいかい できた と しても、おまえ は いっしょう ラプンツェル を みる こと が できないよ」

 まじょ は たかわらい を しながら、どこか へ いって しまいました。

ラプンツェル

 おうじ は め が みえなく なってしまいました が、まだ ラプンツェル を あきらめません でした。

「ラプンツェル、まって いろよ。ぼく が かならず、たすけて やるから」

 おうじ は たちあがる と、あれの に すてられた ラプンツェル を さがす たび に でました。

ラプンツェル

 おうじ の ラプンツェル を さがす たび は、とても つらい たび でした。

 め が みえない おうじ は き の ね や くさ の み を たべ、あまつゆ を すすり、ぜんしん が きず だらけ の ボロボロ でしたが、

 いちにち も やすむ こと なく、なんねん も なんねん も ラプンツェル を さがし つづけ ました。

「ラプンツェル は、ぼく の つま だ。かならず たすけてやる」

ラプンツェル

 そんな ある ひ、め の みえない おうじ の みみ に、なつかしい うたごえ が きこえて きました。

♪ラララー、ララララーー ♪ラララー、ララララーー

「この うたごえ は!」

 その うつくしい うたごえ は、おうじ が さがし つづけた ラプンツェル の うたごえ です。

 おうじ は うたごえ に むかって、こえ を はりあげました。

「ラプンツェル! そこ で うたって いるのは、ラプンツェル かい!?」

ラプンツェル

 すると その こえ に、うたっていた ラプンツェル が ふりかえり ました。

ラプンツェル

「ああっ、おうじさまー!」

 ラプンツェル は、おうじ の むね に とびこみ ました。

 おうじ は、いとし の ラプンツェル を しっかり と だきしめます。

「ラプンツェル、ぶじ だったんだね」

「ええ、いつか おうじさま が むかえ に きてくれる こと を しんじて、ずっと ここ で まって いました」

「そうか。おそく なって すまなかった」

 ラプンツェル の め にも おうじ の みえない め にも、なみだ が つぎつぎ と あふれでました。

「ラプンツェル、ぼくには もう きみ の うつくしい すがた を みる こと が できない が、こうして きみ と いっしょ に いられる だけ で じゅうぶん に しあわせだ。さあ、いっしょ に かえろう」

「はい」

 そのとき、ラプンツェル の め から あふれでた なみだ が、おうじ の みえない め に ふりそそぎました。

ラプンツェル

 すると そのとたん おうじ の め に ひかり が よみがえって、おうじ の め が みえる ように なったのです。

「みえる、みえるよ! きみ の うつくしい すがた が、はっきり と みえるよ!」


 そのご、め が みえる ように なった おうじ は ラプンツェル を おしろ に つれてかえり、

くにじゅう の ひとびと が おいわい する なか、ふたり は けっこん したのです。

 そして ラプンツェル の ほんとう の りょうしん も おしろ で くらす こと に なり、

やがて おう に なった おうじ と ラプンツェル は、りょうしん たち と いっしょ に いつまでも しあわせ に くらしたのでした。

ラプンツェル
(※ のこり の いらすと は、まもなく こうかい)

おしまい

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