昔話の英語《Hukumusume fairy tale collection》昔話の英語 Japanese & English昔話の英語《Hukumusume fairy tale collection》 Hukumusuem fairy tale collection
 


ふくむすめどうわしゅう(Hukumusume fairy tale collection) > がいこくご(Foreign language)

>せかいのむかしばなし(Classical stories of the world)

アトリの鐘

アトリのかね
The Bell of Atri


(イタリアのむかしばなし)
(Old stories of Italy)

ほんやく(Translation) ちいさな翻訳屋さん

Make Origami ( ORIGAMI CLUB)
鐘の折り紙Bell   葡萄の折り紙Grape  馬の折り紙A Horse

♪にほんごのろうどく(Reading in Japanese)
♪えいごのろうどく(Reading in English)
TIME 4:27 ろうどく まちゃりんの読んだり〜の♪
TIME 5:54 Reading Google Translate



にほんご(Japanese) ←→ にほんご(Japanese) & えいご(English) ←→ えいご(English)

 むかしむかし、イタリア の アトリ と いう まち の おはなし です。
 Once upon a time, there was a town called Atri in Italy.


 あるひ、おうさま の めいれい で、まち の ひろば の とう に おおきな かね が つるされました。
 One day, a big bell was hung from a tower at the town square by the order of the King.

 かね から は、ながい つな が さがっています。
 And there was a long rope hanging from the bell.

「どんな おと が する の だろう?」
“What does it sound like?”

 まち の ひとたち は とう を とりかこん で、むね を わくわく させながら おうさま が くる のを まちました。
 The townspeople, filled with joyful expectations, surrounded the tower and waited for the arrival of the King.

 やがて ばしゃ で やって きた おうさま が、あつまった ひとびと に こう いい ました。
 Before long, the King arrived in a carriage and said to the crowd.

「この かね は、ただ じこく を しらせたり、おと を きく だけ の もの では ない。『ただしさ の かね』と して、ここ に つるした のじゃ」
“This bell was hung as ‘the Bell of Justice’, not only to tell the hour or let you enjoy its sound.

「ただしさ の かね?」
“The Bell of Justice?”

 ひとびと は、ふしぎ そう に おうさま を みつめました。
 People wonderingly stared at the King.

「そうじゃ、『ただしさ の かね』じゃ。
“That’s right. It’s the Bell of Justice.

 おまえたち の うち の だれ でも、もし ひと に いじめられたり、つらいめ に あわされたり したら、ここ へ きて かね を ならせば よい。
 If someone bullied you or went hard on you, you may want to come here and ring this bell.

 かね が なれば さいばんかん が すぐ に きて、おまえたち の いいぶん を きいて くれる。
 When the bell was rung, a judge will come at once and listen to you.

 そして なに が ただしいか を、きめて くれる で あろう」
 Then, he will tell you what is right.”

「だれ が かね を ならして も、よろしい の ですか?」
“So, anyone can ring the bell?”

「だれ が ならして も よい。
“Yes, anyone can ring the bell.

 こども でも よいぞ。
 Even a kid can ring the bell.

 みよ、その ため に つな は、この よう に ながく して あるのじゃ」
 Look! That’s why this hanging rope is long enough.”

 こうして アトリ の まち では、その ひ から ひと に つらいめ に あわされた ひと や、あらそいごと の ある ひと は とう の した に きて、かね を ならす よう に なりました。
 Since that day, people being given a hard time or involved in a fight had come to the tower and rung the bell in Atri.

 そして おうさま の おっしゃった とおり かね が なる と さいばんかん が やってきて、だれ が ただしい か、なに が しんじつ か を きめて くれる の です。
 As the King said, a judge showed up when the bell was rung to tell who was right or what was the truth.

 かね の おかげ で まち の みんな は、たのしく まいにち を すごせる よう に なりました。
 The bell enabled the townspeople to enjoy their daily lives.

 そして ながい ねんげつ の あいだ に おおぜい の ひと が つな を ひっぱった ので、つな が きれて あたらしい つな が できる まで ブドウ の つる が さげられる こと に なりました。
 After so many people pulled the rope over the years, the rope snapped and a grapevine was replaced until a new rope was provided.


 さて、アトリ の まちはずれ に、ひとり の かねもち の おとこ が すんで いました。
 Meanwhile, there lived a rich man lived outside of Atri.

 この おとこ は わかい ころ は ウマ に のって わるもの を たくさん やっつけた、いさましく ただしい ひと で した。
 He used to be a brave man with a strong sense of justice and would beat up bad people on a horse when he was young.

 でも とし を とる に したがって、だんだん と いじわる の けちんぼう に なって しまったのです。
 But as he got older, he was turning into a mean and stingy guy.


 ある ひ、かねもち は かんがえ ました。
 One day, the rich man thought,

「もっと、おかね を ためる ほうほう は ない だろうか?
“Isn’t there any way to save more money?

 ・・・そうだ。ウマ に エサ を やらなければ いいんだ」
 I know! Maybe I shouldn’t feed my horse.”

 こうして むかし は いっしょ に かつやく した ウマ なのに、エサ を やる の を やめて しまった の です。
 Thus, he stopped feeding his horse which fought together with him in the old days.

 やせほそった ウマ は ヨロヨロ しながら、やっと アトリ の まち へ たどり つきました。
 As a result, the meager horse stumbled to Atri.

 そして ひろば の とう の した まで くると、つな の かわり に さがって いた ブドウ の つる の は を ムシャムシャ たべはじめた の です。
 When he reached under the tower at the square, he started to munch the grapevine hanging from the bell instead of a rope.

 ♪ガラン、ガラン。
 “Ding-Dong”

 ウマ が たべる たび に、かね が ガランガラン と なりました。
 Whenever the horse bit into the grapevine, the sound of the bell going 'ding dong’ was heard.

 まち の ひとたち も さいばんかん も ひろば に とんできて、その ウマ を みました。
 The townspeople and a judge rushed to the square and watched the horse.

「かわいそうに、こんな に やせている」
“Oh, poor horse. What made him so meager like this?”

「ウマ は くち が きけない から、かね を ならして、つらい こと を うったえて いるのだ」
“Since horses like him can’t talk, he must be trying to tell us he’s having a hard time by ringing the bell.”

 すぐ に かいぬし だった かねもち が、ひろば に よばれ ました。
 A short time later, the owner of the horse was summoned to the square.

 さいばんかん は、かねもち に いい ました。
 The judge said to the rich man,

「この ウマ は、いままで とても あなた の やく に たって きた はず。
“This horse should have served you faithfully for a long time.

 あなた の ためた おかね の はんぶん は、この ウマ の もの では ありませんか?」
 Shouldn’t half of the money you saved go to this horse?”

 かねもち の おとこのひと は ブドウ の は を たべている ウマ を みている うち に、むね が いっぱい に なりました。
 The rich man got choked up by seeing the horse munching the grapevine.

 じぶん が どんな に ひどいこと を したか、ようやく わかった の です。
 He finally realized what he had done to the horse.

 そして それから は ウマ を たいせつ に して、いつまで も なかよく くらし ました。
 Since then, he took good care of the horse and they both lived happily ever after.


 アトリ の かね は、ウマ に とっても 『ただしさ の かね』だった の です。
 The bell of Atri surely was ‘the Bell of Justice’ for the horse as well as many people.

おしまい
The end

前のページへ戻る
(Click here to return)


福娘のサイト
366日への旅
毎日の記念日・誕生花 ・有名人の誕生日と性格判断
Hukumusume fairy tale collection
世界と日本の童話と昔話
子どもの病気相談所
病気検索と対応方法、症状から検索するWEB問診
世界60秒巡り
国旗国歌や世界遺産など、世界の国々の豆知識