2月10日のイソップ童話
いっしょに旅をする人間とライオン
あるとき、ライオンが人間といっしょに旅をしていました。
ライオンも人も、自分がえらいと思っているので、道みちじまんばなしばかりしていました。
そのうち、道ばたに石のちょうこくがあるところにさしかかりました。
そのちょうこくは、人間がライオンをしめ殺している姿をあらわしていました。
人間はすっかりとくいなって、ライオンにいいました。
「それごらん、このとおり、やっぱり人間の方があんたたちライオンより強いよ」
するとライオンは、ニヤニヤ笑いながら答えました。
「なあに、もしライオンがちょうこく家になれれば、人間がライオンに踏みつけられているちょうこくがたくさん見られるだろうよ。それに、ライオンと人間のどちらが強いかなんて、分かりきっているよ。なんなら、いま、この場でためしてやろうか?」
「・・・」
口先だけで、自分はゆうかんだとか、つよいとか、おおいにじまんするけれど、いざじっさいにためされると、化けの皮がはがれて小さくなってしまう人が、世の中にはたくさんいます。
おしまい
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