12月7日のイソップ童話
旅人とプラタナス
夏の真昼に、かんかんてる日ざしで、すっかりつかれた二人の旅人が、一本のプラタナスを見つけてそのかげに逃げこみました。
しげった葉の下のすずしいところに、よこになってやすみながら、旅人たちはプラタナスの枝をゆびさして、
「プラタナスってやつは、実もならないし、人間の役にはちっともたたない木だな」
と、いいました。
すると、プラタナスの木はおこって、
「この恩知らずめ。いまこのとおり、わたしのおかげで助かっているくせに、役に立たないだの実がならないだのと、バカにして」
このプラタナスと同じように、人間でもまわりの人に親切にしてあげているのに、ありがたいと思ってもらえない人がいます。
おしまい
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