12月12日のイソップ童話
野生のロバとかわれているロバ
野生のロバが、日のよくあたるまきばにかわれているロバを見て、そばまで寄っていきました。
「あなたはしあわせですね。そんなによく太って、おいしそうな草が食べられて」
野生のロバは、うらやましそうにいいました。
ところがその後で、かわれたロバが重そうな荷物をつけて、ロバ引きにこん棒でなぐられているのを見ると、
「なーんだ。ちっともうらやましくないや。おいしい草をどっさり食うために、あんなにひどい苦労をしてるんだから」
このように、あぶない目や、くるしい事があるくらしは、いくらよいくらしでも、すこしもうらやましいものとはいません。
おしまい
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