12月22日の日本の昔話
ブラブラたろう
むかしむかし、ある村に、たろ助という若者がおりました。
たいそうななまけもので、毎日プラプラ遊びくらしています。
きょうもプラプラと遊んでいると、たろ助をよぶ声がしました。
「もしもし、たろ助どん」
声のするほうを見ると、小さなつぼがころがっています。
「こりゃあ、ええもん見つけたぞ」
と、ひろいあげると、つぼの中には、小さな男がいるではありませんか。
「わわっ! おまえは、だれだ!」
「たろ助どん、わしはおまえさんのように、ブラブラ遊んでいるなまけもんが好きでな、きょうから、おまえさんの家でくらしたい。どうか連れていってくれ」
「そうか。なら、こいや」
家に帰ったたろ助が、つぼから出してやると、それは、たろ助の手のひらに乗るほどの小さな男でした。
「まあ、ゆっくりせいや。すまんが、留守番をたのむぞ」
たろ助があっちこっち、ブラブラ遊んでから家に帰ってみると、見たこともない男が、大の字になってねています。
「おい起きろ! おまえはどこのもんだ!」
「おい、忘れたのか? つぼから出てきたわしを」
「えっ? ・・・ひえっ! なんでまた、そう大きうなった」
「じつはな、おまえが遊んでくれると、わしのからだが大きくなるんだ。これからも、よう遊んでくれや」
ビックリしたたろ助ですが、あくる日も遊びに出かけました。
そしてタ方帰ってくると、男はまた大きくなって、頭が天井につきそうでした。
たろ助は、いつふみつぶされるか心配で、ひと晩じゅう、へやのすみでヒヤヒヤしておりました。
朝になるのを待ちかねて、たろ助は家から逃げるように飛び出すと、その日もタ方までブラブラと遊んで帰りました。
すると、家の戸口から大木のような足が、ニョキニョキと出ていて、窓からは、太い手が飛び出していました。
「うひゃーっ、こりゃあ、たまげたー!」
たろ助は、家の中に入ることができません。
「やれやれ、とんだことになっちまったぞ。あしたも遊んでいると、家をつぶされてしまうな」
たろ助はつぎの日、いやいや畑しごとをしました。
夕方、家に帰ってみると、男は二回りほど、小さくなっていました。
「ははん、おらが働けば、小そうなるんだな」
それからたろ助は、毎日毎日働きました。
それにつれて、男はだんだん小さくなっていきます。
とうとう、つぼから出たときのように、小さくなった男は、
「たろ助どん、ここは住みにくうなった。もう一度わしをつぼに入れて、道ばたに捨ててくれや」
「ほいよ、承知した」
たろ助は小さい男をつぼに入れて、道ばたに捨てました。
それからは毎日、たろ助はまじめにはたらいて、お金持ちになったということです。
おしまい
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