きょうの江戸小話
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2月2日の小話

聞きまちがい

聞きまちがい

 ある男が、眼の調子(ちょうし)がわるい佐助(さすけ)の手を引いて、眼の治療(ちりょう)につれていきました。
 歩いているうちに、道ばたに、俵(たわら→米などを入れる、わらをあんで作ったふくろ)にくるんだ赤ん坊のすててあるのを見つけました。
 男が、おどろいて、
「おいおい! 佐助。ここに俵にくるんだ子めがすててあるぞ!」
と、おしえました。
 すると、佐助が、
「なんだ! なんだ! 米がすててある? そんなら拾っておけ」
と、いうので、
「いやいや、それが、赤子めなのじゃ」
と、いうと、
「赤米でもいいから、拾うがいい」
と、いうので、男が、じれったがって、
「いや、そうじゃない。人じゃ」
と、いうと、
「四斗(しと→約七十二リットル)もあるのなら、二人で、仲よく二斗ずつ分けよう」

おしまい

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