12月10日の小話
三つのあて
ある男のところに、借金とりがやってきました。
「きょうこそは、なにがなんでも、かえしてもらおう」
「すみませんが、もうちょっと、まってください。こんどは、かえすあてが、三つも、みつかったんですから」
「ほう、三つもですか。そいつはたのもしい。で、どんなあてです」
「はい、一つめは、どこかで大金をひろうかもしれません」
「そんなのは、あてとは言わん。つぎは?」
「はい、二つめは、どこかの金持ちが、気前よく、大金をくれるかもしれません」
「そんなやつがいるもんか。で、さいごのあては?」
「はい、これが一番可能性が高いのですが、あんたが、ぽっくりと、死ぬかもしれません」
「・・・・・・」
おしまい
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