3月6日の日本民話
髪の長い娘とナマズ
群馬県の民話
むかしむかし、ある村に、平次郎(へいじろう)というお百姓(ひゃくしょう)がすんでいました。
平次郎には二十二歳になる娘がいましたが、なかなか嫁のもらい手がなくてこまっています。
それというのも、この娘は子どものころから髪をのばしつづけ、その長さといえば、地面にずるずるとひきずるほどだったからです。
ある年のこと、娘は病気になって死んでしまいました。
娘は自分が死んでも、けっして髪を切らないでほしいといっていたので、平次郎は長い髪をそのままにして、お墓(はか)にうめました。
それからしばらくして、家族や親戚(しんせき)たちが娘のお墓の前に集まりました。
みんなが墓まいりをしていると、とつぜんお墓がグラグラと動きはじめたのです。
みんながビックリしてその場からはなれると、お墓がズブズブと土の中に沈んでいき、深さが十メートル、周囲が三十メートルほどもある大きな穴ができたのです。
やがてこの穴の底から水がわきだして、池になりました。
何年かすると、この池から長いひげのあるナマズがたくさんとれるようになりました。
このナマズは、髪の長い娘の生まれ変わりだと言われています。
おしまい
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