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2010年 2月22日の新作昔話

アマガエルが鳴く理由

アマガエルが鳴く理由
千葉県の民話

 むかしむかし、アマガエルのお母さんは、自分の息子がとてもヘソ曲がりな事をとても心配していました。
 そこで何度も何度も注意しましたが、息子のヘソ曲がりは一向に直りません。
 やがて、お母さんが年を取って息を引きとる時、お母さんはヘソ曲がりな息子を呼んで、こう言いました。
「息子や、お前に最後の頼みがあります。どうか、わたしのお墓は、川端の低い所に粗末な物をつくっておくれ」
 こう言っておけば、へそ曲がりな息子は、反対に丘の上に立派なお墓を作るに違いないと考えたのです。
 そして次の日、お母さんガエルは死んでしまいました。
「お母さん、いつもへそ曲がりで苦労をかけてごめんな」
 さすがのへそ曲がりも、母親の遺言には、いつものように逆らう気にはなれませんでした。
 そこで言われた通りに、川端の低い所に粗末なお母さんの墓を作ったのです。
 でも、こんな所にお墓を作っては、ちょっと雨が降って川の水かさが増しただけでも、流されてしまうかもしれません。
 そこで心配した息子は、雲行きがあやしくなると、
♪ケロケロッ ケロケロッ
♪ケロケロッ ケロケロッ
と、鳴いて、
「天の神さま、どうか、お母さんの墓を流さないでください」
と、天の神さまにお願いしたそうです。

 この時からアマガエルは、雲行きあやしくなると鳴くようになったのです。

おしまい

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