2011年 10月12日の新作昔話
ほら吹き男爵 木の幹にきばを打ち込んだイノシシ
ビュルガーの童話
わがはいは、ミュンヒハウゼン男爵(だんしゃく)。
みんなからは、「ほらふき男爵」とよばれておる。
今日も、わがはいの冒険話を聞かせてやろう。
ある時、わがはいは森の中で、子牛ほどもある猛々しいオスの大イノシシに襲われた。
突然の事で、鉄砲を構えるひまもない。
わがはいは、大きな木のかげに逃げ込むのがやっとだったが、大イノシシは情けようしゃもなくキバをうならせて突進してきた。
「もう、だめだ!」
わがはいは観念して、目を閉じた。
すると、そのとたん、
ズシーン!
と、大きな物音とともに、わがはいが隠れていた木が大きくゆれた。
おどろいて顔をあげると、なんとイノシシのやつはキバを木の幹に打ち込んで、それが抜けずにじたばたともがいているではないか。
「しめた!」
わがはいは踊りあがって喜ぶと、木の反対側に突き出たキバを石でたたいてひん曲げてやった。
これで大イノシシは、もう逃げる事が出来ない。
わがはいは久しぶりの大物を運ぶ為に、我が家へと手押し車を取りに帰ったのだ。
イノシシに襲われた時は、大きな木のかげに隠れる。
これが、今日の教訓だ。
では、また次の機会に、別の話をしてやろうな。
おしまい
きょうの「366日への旅」
記念日検索
きょうは何の日?
誕生花検索
きょうの誕生花
誕生日検索
きょうの誕生日
福娘童話集
きょうの世界昔話
福娘童話集
きょうの日本昔話
福娘童話集
きょうのイソップ童話
福娘童話集
きょうの小話