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5月23日の日本の昔話

娘の婿選び

娘の婿選び
大岡越前守の名裁き → 大岡越前の守について

 むかし、ある長者に年頃の一人娘がいました。
 娘は家の用事で川のそばを歩いていましたが、このところの長雨続きで川は大水です。
「まあこわいわ。気をつけて歩かないと。・・・あっ!」
 娘は運悪く足を滑らせてしまい、そのまま川に落ちてしまいました。
 さあ、大変です。
 見ていた人が川にかけよりましたが、娘はどこへ流されたのか、どこを探しても見つかりませんでした。
 それを聞いた長者はうろたえ、通りかかった易者(えきしゃ)に娘の居場所を占わせると、
「ふむ。板ぎれにつかまって、少し向こうの深みに浮いておる」
と、教えてくれました。
 おかげで娘は見つかりましたが川は大変な大水なので、飛び込んで助ける事が出来ません。
 そこへ、目の見えない男がやってきて、
「わたくしが、お助けしましょう。なわを用意してくだされ」
と、自分の体になわをつけて川に飛び込むと、何とか娘を引き上げてくれました。
 しかし娘はひどく弱っていて、今にも死んでしまいそうです
 すると今度はそこに医者がかけつけ、ありったけの手当をしてくれたので娘はなんとか命を取り止める事ができました。
 助けてくれた三人に感謝した長者は、お礼に娘を嫁にやることにしましたが、娘は一人なのに助けてくれたのは三人です。
 易者と目の見えない男と医者の、誰に娘をやるかまよいました。
 三人とも命の恩人ですし、三人とも娘を嫁に欲しいと言います。
「はて、どうしたものかのう」
 困った長者は、名裁きで有名な大岡越前守(おおおかえちぜんのかみ)に頼む事にしました。

「どうか、大岡さまに娘の婿を選んでいただきたい。三人のうち、誰が娘を一番幸せに出来るか、大岡さまの名裁きをお願いいたします」
「・・・うむむ」
 今まで数々の難問(なんもん)を解決してきた越前守(えちぜんのかみ)ですが、この時ばかりはさすがに困ってしまいました。
「まあ、三日待ってくれ」
 とりあえずその日は長者を帰らせて、それから三日間、夜も寝ないで考えました。
 しかし、良い知恵が浮かびません。
 三日たって、再び長者がやって来ましたが、
「あと、二日待て」
と、日をのばしてもらいました。
 そして、とある滝の近くへ、気晴らしに出かけることにしたのです。

「ふう、困った困った。やっかいな事を引き受けてしまったわ」
 岩に腰をおろしてボンヤリと滝をながめていると、ふと、話し声が聞こえてきます。
 実は岩の下にほら穴があって、そこを山賊(さんぞく)が隠れ家にしているのでした。
 耳をすませてみると、なんと今回のさばきについて話をしているではありませんか。
「さすがの大岡さまでも、あのさばきには頭を悩ませておるそうじゃ」
「おい、きさまなら、どうする?」
「決まっておる。わしなら長者の娘婿(むすめむこ)には、易者や医者ではなしに、目の見えん男じゃ」
「ほほう。どうして、そう決められるのだ?」
「わからんのか?
 むかしから、『たとえ火の中、水の中』ちゅう言葉があるじゃろうが。
 易者が占いをするのは、当たり前。
 医者が人を助けるのは、当たり前。
 それにくらべて目の見えん男は、本当に水の中をくぐって娘を助けたんじゃ。
 わしも泳ぎは達者だが、目をつぶったままでは、とても川に飛び込めん。
 だから命がけで娘を救った目の見えん男が、娘を一番幸せにする決まっておる」

 越前守は山賊の言葉に感心して、目の見えない男を長者の娘婿に決めたということです。
「うむ、これにて、一件落着!」

おしまい

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