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 8月27日の小話 
 お日さまよりも、足のはやい男   日本一足のはやい男が、こんな事を考えました。「たとえ天下のお日さまだって、おいらの足にはかなうまい。ちょっくら走って行って、お日さまをつかまえてやろう」
 男はお日さまを追いかけて、西へ西へと走って行きました。
 いくら足のはやい男でも、お日さまにかなうはずがありません。
 やがてお日さまは沈み、夜になりました。
 「ちくしょうめ、お日さまも、なかなかやるな」
 それでも男は、どんどんどんどん、走って行きました。
 
 そのうちに朝になり、お日さまが東から登ってきました。
 男は後ろをふり返ると、自慢気にこう言いました。
 「よし。いつの間にか、お日さまを追いこしたぞ」
 ♪ちゃんちゃん(おしまい)
  
 
 
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