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第 356話

島の一つ目

島の一つ目
鹿児島県の民話鹿児島県情報

 むかしむかし、嵐に巻き込まれた船が、見知らぬ島へとたどり着きました。
 船には飲み水が無かったので、一人の船乗りが水をくむための桶を持って陸に上がりました。
 そして森の奥で水場を見つけた船乗りが桶に水をくみ入れてひと休みをしていると、突然後ろから一つ目の大男が姿を現したのです。
 この水場は、一つ目の水飲み場だったのです。
「うひゃーー、一つ目だー!!」
 船乗りは逃げ出そうとしましたが、腰が抜けて足に力が入りません。
 手足をジタバタさせていると、一つ目は大きな毛むくじゃらの手を伸ばして船乗りをひょいとつまみ上げました。
 そして船乗りを手にぶら下げたまま山を登って、岩場の洞穴(ほらあな)に船乗りを投げ入れたのです。
「よしよし、人間とは久し振りのごちそうだわい」
 一つ目はそう言うと、船乗りを丸焼きにするためのたき火をおこしました。
「これは大変だ!」
 船乗りは恐ろしくなって、洞穴の奥へ奥へと逃げて行きました。
 すると奥には、何十頭もの馬がいました。
 その馬たちは、一つ目が自分の服を作るために捕まえた馬でした。
 よく見ると服を作るための馬の皮が、何頭分も置いてあります。
 船乗りはそれを見て、ある考えを思いつきました。

 船乗りが一つ目の様子を見ると、一つ目は燃えさかる火の反対側にあぐらをかいて木を細長く削っていました。
(さては、あの木でおれを串刺しにするつもりだな。そうはさせるか)
 船乗りは洞穴の中からそっと手を伸ばすと、まっ赤に燃えているまきを一本つかんで、それを一つ目の大きな目の中に投げ込みました。
「うぎゃーーー!」
 ものすごい悲鳴をあげた一つ目は、
「人間め、よくもやったな! こうなれば、頭からかじってやるぞ!」
と、長い手を洞穴の中に入れてきたのです。
 ですが中にいる馬たちが暴れるので、なかなか船乗りを捕まえることが出来ません。
「邪魔な馬め。まずは、こいつらを外に出してしまわないと」
 一つ目は目が痛くて開けられないので、手探りで馬を一頭づつ外へ出し始めました。
「これも馬か。これも馬か。これも馬か」
 それを見た船乗りは、洞穴にあった馬の皮をかぶって一つ目の手に近づきました。
 すると一つ目は、馬の皮をかぶった船乗りをなぜて、
「これも馬か」
と、そのまま外に出したのです。

 こうして洞穴から逃げ出した船乗りは命からがら山を駆け下りると、途中の水場で急いで水をくんで無事に船へと戻ることが出来ました。

おしまい

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