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7月5日の日本民話 2
イタズラギツネとお面売り
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むかしむかし、ある山に、いつも人を化かして喜んでいるイタズラギツネがいました。
ある晩の事、お面売りの男がこの山を通りかかると、イタズラギツネはさっそく化け物に化けて男をおどかしました。
「おれは化け物だ! 今からお前を食べてやるぞ!」
しかし、お面売りはイタズラギツネの噂を聞いていたので、
(ははーん。これはイタズラギツネの仕業だな。よし、こっちがおどかしてやろう)
男は、お面を入れている袋の中から、天狗のお面を取り出してかぶりました。
「わはははは。おれは人間ではなく、化けダヌキだ。お前の化け方もなかなかだが、おれにはかなうまい」
「何を、お前が天狗なら、おれはのっぺらぼうだ!」
イタズラギツネは、そう言ってのっぺらぼうに化けましたが、お面売りはひょっとこのお面をかぶりました。
「くそ、なかなかやるな、それならこれでどうだ!」
イタズラギツネは、それから、『一つ目小僧』『ろくろっ首』『大蛇』と化けましたが、お面売りは、『仁王』『赤鬼』『青鬼』『カッパ』『閻魔大王』と、イタズラギツネが化けるよりも早く、次々とお面を取り替えるのです。
それを見たキツネは、ついに観念しました。
「まいった、まいった。さすがのおいらでも、そんなに早くは化けられないや。しかし、どこでそんな化け方の修行をしたんだ?」
するとお面売りは、自慢げに言いました。
「なに、この袋は化け袋と言って、化けるための道具が色々入っているんだ。・・・なんなら、中を見せてやろうか?」
「うん、見せておくれ」
そう言ってキツネが袋に入ったとたん、お面売りは袋の口をキュッと閉めて、キツネを捕まえてしまいました。
そして、さんざんにお仕置きをされたキツネは、二度と人を化かすことはなかったそうです。
おしまい
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