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3月20日のイソップ童話

モミの木とイバラ

モミの木とイバラ

 大きくて立派なモミの木が、足元のイバラ(→詳細)を見下していいました。
「おほん。私は世の中の色々に役に立つ。たとえば、神殿の屋根や大きな船をつくったり。それに、すらっと背が高くて、じつに美しい。まったく、いだいなモミの木さまだ。・・・おや? 私の足元に生えているお前は、全身がトゲトゲで、みんなからきらわれているイバラだな。お前に一つ聞くが、お前には一体、何の取り柄があるのだ?」
 するとイバラがこういいました。
「確かに、私には何の取り柄もありません。でも・・・」
「・・・でも、なんだ?」
「あっ 、ほら、ほら。オノを持ったきこりがやって来ましたよ。まっすぐこっちへ向かってきますね。私たちに、なにか用でしょうか。いや、わたしはトゲトゲのきらわれ者ですから、きっと、あなたに用でしょう。人気者はたいへんですね。・・・あれ? どうしました? 風もないのに急に震え出したりして」

  人から、ちやほやされるからと言って、とくいになってはいけません。
  目立ちすぎるとたいへんな目にあうかもしれませんよ。

おしまい

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