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4月18日のイソップ童話
うそつき
びんぼうな人が、病気にかかって死にそうになりました。それで神さまに、
「神さまどうか、わたしの命を助けて下さい。助けて下さったら、百頭のウシをささげものにします」
と、おいのりしました。
神さまはこの男をためそうと思って、さっそく病気をなおしてやりました。
男は元気になりました。
しかし、びんぼうですから、百頭のウシなど、はじめから持っていないのです。
そこで男は、ロウでウシを百頭つくって、祭壇にささげました。
そして、「神さま、どうぞ、約束のウシをおうけとり下さい」といいました。
かみさまは、この男のインチキに対してしかえしをしようと考えました。
それで、この男に夢を見させて、
「海辺へいきなさい。そうすれば、千ドラクマのお金が見つかるだろう」
と、おしえてやりました。
男は飛び上がらんばかりによろこんで、さっそく浜辺にかけつけました。
すると、そこには海賊たちがいて、たちまち男をつかまえて、遠くへ連れ去り、売り飛ばしてしまいました。
その時、たしかにこの男は千ドラクマのお金を見ることはできました。
この話は、うそつきのいましめです。
おしまい