福娘童話集 > きょうのイソップ童話 > 6月のイソップ童話 > 人間とセミ
6月30日のイソップ童話
人間とセミ
ある人が畑を食いあらすイナゴをとっては殺していましたが、セミも一ぴきつかまえました。
そして殺そうとしたので、セミがいいました。
「わたしを殺してもなんにもなりませんからおよしなさい。わたしは畑を食いあらしたりしません。それどころか、わたしはすずしい歌を歌って、つかれた旅人をなぐさめています」
それを聞いた人間は、なるほどと思い、セミを逃がしてやりました。
虫とはいえ、人間に害をあたえないものを殺すのはよくないことです。
おしまい