福娘童話集 > きょうのイソップ童話 > 9月のイソップ童話 > イノシシと馬と猟師
9月3日のイソップ童話
イノシシと馬と猟師
イノシシ(→詳細)と馬が、同じ野原でくらしていました。
イノシシがいつも草を踏みあらすし、小川の水をよごすので、馬はこらしめてやろうと思って、猟師に、
「あのイノシシをやっつけたいから、手つだいをして下さい」
と、たのみました。すると猟師は、
「おまえがくつわをつけて、わたしを背なかにのせなければ、手を貸すわけにはいかないよ」
「はいはい。そのとおりにしますから、よろしく」
そこで、猟師は馬にまたがってイノシシをやっつけましたが、その後、馬にのったまま自分の家にかえって、馬を小屋につないでしまいました。
この馬と同じに、人間でも、おこったいきおいであいてをこらしめようとして、かえって、べつの人のいいつけを聞かなければならなくなることがあります。
おしまい