世界のとんち話　第２６話



オオカミとヤギ

　 オオカミが、高くつきでた岩の上で草を食べているヤギをみつけました。
　 そこまであがっていくことができないので、オオカミはしたからヤギに呼びかけて、
「おーい、ヤギさん。おりていらっしゃいよ。うっかり踏みはずすと、あぶないですから。それに、ぼくのいまいる下の野原のほうが、花がいっぱい咲いていて、すてきですよ」
　 しかし、ヤギは答えました。
「下の野原の草を食べにこいというのは、わたしのためではなくて、食べ物がなくてこまっているあなたのためでしょう」

　 このように、悪いやつだということを知っている人たちには、悪人のわるだくみは通用しません。

おしまい