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10月26日のイソップ童話
神さまとカメ
大むかしのことです。
ある神さまが、お嫁さんをもらうことになりました。
神さまは結婚式に、この世の全ての動物を呼びました。
結婚式は、それははなやかでたいへんにぎやかなものでした。
動物たちみんなにおめでとうをいわれて、神さまはにこにこしていました。
でも、カメだけが来ていないことに気づきました。
次の日、神さまはカメにたずねました。
「どうして、わたしの結婚式に来てくれなかったのかね」
すると、カメはこう答えました。
「はい、わたしはにぎやかなところへいくのがきらいなんです。家は静かで落ちつきます。家にいるのがいちばんです」
「そんなに家が好きなら、これからずっといっしょにいたまえ」
おこった神さまは、カメに魔法をかけました。
カメの背中に、大きな甲羅ができたのです。
カメの背中に甲羅があるのは、そのせいなのです。
このカメと同じように、人の家でごちそうを食べるよりも、自分の家でしずかに生活したいと思う人はたくさんいます。
おしまい